オーバーフェンダーは車検通る?構造変更が必要?具体例を交えて紹介

    オーバーフェンダーは車検通る?構造変更が必要?具体例を交えて紹介

    インパクトのある足回りカスタムで、オリジナリティを出すのに一役買ってくれるオーバーフェンダーは、車好きの間ではとても人気の高いカスタムです。

    ですが、はたしてオーバーフェンダーをつけたまま車検は通るのか?
    また構造変更が必要になってしまうのか?
    気になっている方も多いのではないでしょうか。

    オーバーフェンダーをつけて走っていたら、違法改造として罰金を支払うハメに!なんてことにはなりたくないですよね?

    結論をいうと、オーバーフェンダーは車検に通ります。
    ただし一定の基準を守っているならば
    、です。

    基準を超えている場合は構造変更をして車検に通すことになります。

    今回の記事では

    ・オーバーフェンダーが車検に通る基準
    ・構造変更が必要なケース
    ・具体的なアドバイス

    これらを解説・ご紹介していきます。

    インパクト抜群のオーバーフェンダーをつけて、自分だけのカスタムカーを楽しみましょう!

    目次

    オーバーフェンダーとは

    オーバーフェンダーという言葉はよく聞きますが

    ・どういったものをオーバーフェンダーと呼ぶのか
    ・オーバーフェンダーにはどういった役割やメリットがあるのか

    あらためて聞かれるとパッと言葉が出てこない方もいらっしゃるでしょう。

    そこでまずはオーバーフェンダーの役割や、よく間違われるブリスターフェンダーとの違いなどについて簡単に解説していきます。

    オーバーフェンダーの役割

    オーバーフェンダーには主に2つの役割があります。

    • ドレスアップ
    • 車のボディに汚れや傷がつくのを防ぐ

    順番にみていきましょう。

    ①ドレスアップ
    オーバーフェンダーの主な役割としてドレスアップ目的というのが挙げられます。

    純正よりも太いタイヤを履かせたり、リムが深いホイールを使用すると、どうしてもボディからタイヤやホイールがはみ出してしまいます。(いわゆるハミタイです)

    車体からタイヤやホイールがはみ出したままだと、車検に通すことができません。

    そこでオーバーフェンダーを装着して車体の幅を広げ、タイヤやホイールを車体の内側に収める役割をもちます。

    ②車のボディに汚れや傷がつくのを防ぐ
    泥はねや小石が飛んだりしてつく傷を防いでくれるので、オフロード車やSUVなどに純正で採用されることもあります。

    最近では純正のオーバーフェンダーは樹脂製のものが採用されることが多いです。
    樹脂製が多い理由は、金属とくらべて汚れや傷に強いからです。
    いざ傷がついて交換するとなっても、金属製のフェンダーよりも安く済むのも大きな魅力です。

    ブリスターフェンダーとの違い

    オーバーフェンダーと似たものでブリスターフェンダーというものがあります。
    この2つには明確な違いがあります。

    フェンダーの種類 説明
    オーバーフェンダー 後付けで装着するフェンダー
    ブリスターフェンダー 車のボディと一体化しているフェンダー(純正のものが多い)

    どちらもフェンダーということに変わりありませんが、オーバーフェンダーは後付けで取り付ける半円状のパーツのことをいいます。

    ブリスターフェンダーは車のボディと一体化していて、もともとの車体デザインに組み込まれています。

    具体例をあげるとすると、トヨタGRヤリスやR34GT-Rなどが代表的なブリスターフェンダーを採用した車といえます。

    オーバーフェンダーは指定外部品

    自動車のパーツには指定部品と指定外部品の2種類があります。

     

    部品の種類 部品の一例
    指定部品 ルーフラック、コイルスプリング、エアスポイラー、ロールバーなど
    指定外部品 オーバーフェンダー、リーフスプリングなど指定部品以外のもの

    指定部品は、人により付け替えたりすることが多い部品です。
    両面テープのように簡単に取り外せたり、ボルト・ナットなどの工具を使えば取り外せるような装着方法であれば、一定の基準を超えたとしても、そのまま車検を通すことが認められています。

    一方、指定外部品を取り付けて一定の基準を超えてしまうと、簡単に脱着できる(両面テープやクリップなど)場合を除き、原則構造変更などが必要となります。

    オーバーフェンダーはこの指定外部品に入っています。

    なのでオーバーフェンダーを装着し、一定の基準を超えてしまう場合は構造変更や改造自動車申請をする必要があります。

    オーバーフェンダーは構造変更が必要?

    オーバーフェンダーをつけると構造変更は絶対にしなければいけないのか?
    この疑問が解決できずに、オーバーフェンダーを付けるのをためらっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    結論からいうと

    ・もとの車幅から20mm未満の変化であれば構造変更なしで車検に通る
    ・もとの車幅から20mm以上車幅が変化するなら構造変更しなければならない

    判断基準は、もとの車幅から20mm以上の変化があるかどうか、です。
    詳しく解説していきます。

    構造変更とは?

    まずは構造変更について説明します。

    構造変更とは、車の改造により車の長さや幅などの「外寸」や「重量」「乗車定員」「形状」「排気量」などが変更になった時に必要な手続き・検査のことです。

    もっと簡単にいうと
    「誰が見ても改造車です!というカスタムを施してますが、しっかりと保安基準に適合していますよ」
    これを証明するための手続きが構造変更です。

    構造変更の手続きは、自分で陸運支局などへ車を持ち込んで申請・検査を受ける方法と、カスタムショップなどへお願いして代行してもらう方法などがあります。

    構造変更が必要なのは車幅を20mm以上超える時

    構造変更は車の「外寸」などが決められた基準以上に増減したときに必要になります。

    車種によって基準には多少の違いがあります。一覧を表にまとめてみました。

    全長 全幅 全高 車両重量
    小型自動車

    軽自動車

    ±30mm ±20mm ±40mm ±50kg
    普通自動車

    大型特殊自動車

    ±30mm ±20mm ±40mm ±100kg

    オーバーフェンダーに関係してくるのは「全幅」の数値ですね。
    どの車種でも±20mmとあります。

    これはつまり
    オーバーフェンダーをつけた後の車幅が、つける前の車幅とくらべて20mm以上超えていた時に構造変更が必要になるということ。

    言い換えると、片側10mm以上のオーバーフェンダーをつけるのであれば、構造変更が必要!
    ということになります。

    構造変更は車検と同時にしよう

    構造変更は可能なかぎり、車検がきれる直前で行うことをおすすめします。
    その理由は「構造変更=車検の取り直し」になってしまうからです。

    構造変更をすると、その時点でどれだけ車検期間が残っていても、すべて無効となります。
    構造変更した日から新たに2年間の車検の有効期間が始まります。

    ここで重要なのは、車検期間が残っていてもすべて無効になるところです。
    どの車も車検取得時に重量税を車検の期間分だけ前払いしています(新車なら3年分、以降は2年分)。
    この前払い分は、一切戻ってくることはありません。
    つまりは払い損になってしまいます。

    そればかりか、構造変更の際に新たに車検を取得するので、2年分の重量税を前払いしなければなりません。

    具体例をあげて説明します。
    15年前の普通車(重量2トン)に乗っているとします。
    ①2022年の1月に車検を取りました。
    このときに重量税は45,600円、その他の車検費用は10万円、合計145,600円支払ったとしましょう。

    ②2022年の7月に構造変更を行います。
    普通なら①で払った約15万円で2024年1月まで車検は有効です。
    しかし②で構造変更を行うと、①で払った税金や車検費用は無効になります。残りの期間分の金額が返金されることもありません。

    ③2022年7月に新たに車検を取ります。
    ここでまた重量税45,600円、車検費用10万円などを支払うことになります。
    車検の有効期限は2024年7月までとなります。

    ①で約15万円支払って2年分(24ヶ月)の車検を取っているのに、1年半(18ヶ月)の期間を残して構造変更をすると
    15万円✕18ヶ月/24ヶ月=112,500円
    約11万円ほどの払い損になってしまいます。これはかなりもったいないです!

    なので構造変更をするなら車検が切れる直前で行うのが車検期間を無駄にすることがなく、一番経済的なタイミングだと言えるでしょう。

    タイヤをツライチにする場合には注意

    足回りのカスタムとしてツライチというものがあります。

    ツライチとは、車の1番外側(主にフェンダー)とタイヤやホイールのリムなどの1番外側をキレイに一直線上に揃えることをいいます。

    ツライチにすることで車の見た目がかなりカッコよくなります。

    ただし、オーバーフェンダーを取り付けた上でのツライチを考えている方は注意が必要です。

    まず片側10mm以上のオーバーフェンダーをつけてツライチにする場合は、必ず構造変更が必要になります。
    構造変更をしなければオーバーフェンダーが車の寸法に含まれません。
    したがって構造変更をしないままだと、ホイールが10mm以上ハミタイしていることになってしまいます。

    つぎに構造変更を必要としない片側10mm未満のオーバーフェンダーを取り付けた場合です。

    結論からいってしまうと、こちらもハミタイと判断されます。

    10mm未満のオーバーフェンダーとなると、主にフェンダーモールなどの両面テープで貼り付けるだけのお手軽なものが多いかと思います。

    しかし保安基準では

    ・車枠及び車体は、堅ろうで運行に十分耐えるものであること。
    ・車体は、車枠に確実に取り付けられ、振動、衝撃等によりゆるみを生じないようになっていること。

    このように車体の定義が定められています。

    わかりやすくいうと

    ・車のボディというのは、頑丈なものでなければダメですよ
    ・エンジンや走行中の振動・衝撃などでパーツの取り付け部分がゆるまないようにしないとダメですよ(ボルトやリベットなどでしっかりと固定しないとダメ)

    これらを守っていないと車体の一部としては認めません、ということです。

    こうなると両面テープでくっつけるだけのフェンダーモールでは、車体の一部として認めてもらえません。
    フェンダーモールとツライチ調整していると、純正の車体からはみ出している分がハミタイとなってしまいます。

    フェンダーモールでもタイヤがフェンダーの内側に収まっていると認めてくれるケースとしては、タイヤ上部はツラウチだけどリムだけが1.2mm出ちゃってる…かな?というような誤差レベルの時くらいです。

    とはいっても、検査員によってはそれでも不合格にする人もいます。

    基本的には

    ①純正の車幅でツライチを狙うなら問題なし
    ②オーバーフェンダーを含めた車幅でツライチを狙うなら構造変更をするのが無難

    ということは肝に銘じておきましょう。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。

    オーバーフェンダーを付けていても車検は通せます。

    ただしオーバーフェンダーの幅が10mm以上あるかどうかによって、構造変更が必要かどうかが決まります。

    幅が10mm未満のオーバーフェンダー・・・構造変更せずに車検に通せる
    幅が10mm以上のオーバーフェンダー・・・構造変更しないと車検に通せない

    また、構造変更をするのであれば、残りの車検期間が切れる直前を狙って行うのがおすすめです。
    車検が切れる直前が、車検期間をムダにすることなく、一番経済的なタイミングだからです。

    オーバーフェンダーをつけようかどうか迷っている車好きの方は、ぜひ愛車のカスタムメニューにオーバーフェンダーを取り入れて、オリジナリティ溢れるカスタムカーライフを楽しんでください!

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