「ユーザー車検の費用相場は?」
「費用が安く済むって本当?」
「どうやって利用するの?」
ユーザー車検は車検費用が最も安く済む可能性があり、出費を抑えたいという方におすすめな方法です。
ただ、利用したくても身近に利用者がおらず、費用感や手続きの流れが分からない方も多いと思います。
そこで当記事では、ユーザー車検の費用・内訳について徹底的に解説していきます。
また、以下の内容についても解説していきます。
- 車検業者を依頼した場合との費用相場比較
- ユーザー車検の流れ
- 利用する際の注意点
法定費用の内訳や金額も網羅的に表にまとめているので、ユーザー車検の費用が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
ユーザー車検の基本
ユーザー車検は「車を検査場に持ち込み・手続きなどをすべて自分で行う自動車検査」のことです。
車検業者を通さないため、業者に請求される車検基本料・検査料・作業工賃が発生しません。
ユーザー車検は各地の運輸支局、軽自動車であれば軽自動車検査協会で受け付けており、自動車ユーザーであれば誰でも利用することが可能です。
ユーザー車検の費用相場
ユーザー車検の費用について解説していきます。
以下は車両重量別のユーザー車検の費用相場です。
【車両重量別のユーザー車検の費用相場】
排気量の平均 |
車両重量 |
費用合計 |
---|---|---|
660㏄以下 |
軽自動車 |
26,340円 |
660~1,500㏄ |
500kg以下 |
27,940円 |
661~2,000㏄ |
小型自動車(501~1,000kg) |
36,350円 |
1,500~3,000cc |
中型自動車(1,001~1,500kg) |
44,550円 |
1,500~3,500cc |
大型自動車(1,501~2,000kg) |
52,750円 |
2,000~4,000cc |
超大型自動車(2,001~2,500kg) |
60,950円 |
2,500~5,000cc |
2,501~3,000kg+ |
69,150円 |
※合計費用は新車登録から13年以内・エコカー以外の車の金額です。
※沖縄県・離島は料金が異なります。
排気量として最も一般的なのが1,500〜2,000㏄で、車両重量でいうと小型から中型車両に該当するものが多いです。
上記の表の通り、1500㏄・2,000㏄の車なら27,940〜36,350円が法定費用の相場になります。
ユーザー車検では業者に依頼した際に発生する車検基本料・検査料が発生しません。
特に不具合なく整備する箇所がなければ法定費用のみで済むため、最もコストパフォーマンスに優れています。
内訳に関しては、後ほど詳しく解説していきます。
【業者別】車検を受ける費用相場比較
続いて、車検を受ける場所・業者別に車検費用相場を比較していきます。
以下は、ユーザー車検・主要な車検依頼先6つの費用相場の比較表です。
【比較時の条件】
- ユーザー車検以外は車検基本料を含む金額
- 以下の費用相場は、店舗ごとに設定している金額の平均
【車検を受けた場所別の車検費用一覧】
車検を受けた場所 / 車両重量 | 軽自動車 | 500kg以下 | 501~1,000kg | 1,001~1,500kg | 1,501~2,000kg | 2,001~2,500kg | 2,501~3,000kg+ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
車検を受けた場所 / 車両重量 |
軽自動車 |
500kg以下 |
501~1000kg |
1,001~1,500kg |
1,501~2,000kg |
2,001~2,500kg |
2,501~3,000kg |
ユーザー車検 |
26,340円 |
27,940円 |
36,350円 |
44,550円 |
52,750円 |
60,950円 |
69,150円 |
車検専門店 |
41,340円 |
42,940円 |
52,850円 |
61,050円 |
71,250円 |
80,950円 |
90,150円 |
ガソリンスタンド |
41,340円 |
44,440円 |
56,350円 |
69,550円 |
82,750円 |
93,450円 |
104,150円 |
カー用品店 |
47,840円 |
50,000円 |
58,850円 |
72,050円 |
83,750円 |
94,950円 |
106,150円 |
中古車販売店 |
56,840円 |
58,940円 |
68,350円 |
77,050円 |
85,750円 |
96,250円 |
107,250円 |
民間の整備工場 |
53,840円 |
57,940円 |
71,350円 |
83,050円 |
100,750円 |
110,750円 |
125,750円 |
ディーラー |
58,000円 |
68,000円 |
86,000円 |
109,000円 |
127,000円 |
146,000円 |
155,000円 |
※上記の金額は割引やキャンペーンなどを反映していない価格です。
※整備内容や使用する部品によって金額は変動します。
上記の通り、車検基本料が発生しないユーザー車検は費用が一番安く、ディーラー車検は最も高い費用相場となりました。
上記の金額は車検基本料・法定費用・最低限の整備を考慮した費用相場を算出しています。
ユーザー車検の費用内訳
続いて、ユーザー車検の費用内訳を確認していきましょう。
【ユーザー車検の費用を構成する要素】
- 法定費用
- 整備費用
法定費用は整備内容によって金額が変化しないので、先述の表内の金額が必ず発生します。
整備費用は修理箇所の有無・交換に使用する部品の金額で上下します。
ユーザー車検の場合、整備にかける費用が発生しない・少額であれば、主に支払う費用が法定費用のみで車検を受けることも可能です。
上記の要素を詳しく解説していきます。
法定費用
ユーザー車検の法定費用を構成する要素は、以下の3つです。
【法定費用を構成する要素】
- 重量税
- 自賠責保険料
- 印紙代
法定費用の合計額は、本拠として登録している地域(ナンバープレートに記載の地域)によって金額が変わる場合がありますが、基本的には不変です。
上から順番に詳しく解説していきます。
重量税
重量税の費用相場について解説していきます。
重量税は自動車の重量によって費用が変化し、車両重量が増加するほど金額も上がります。
また、エコカーは重量税が免除・減税される制度があり、普通の区分の自動車と税額が異なります。
金額は以下の区分で算出されます。
【車両重量別:重量税の金額一覧(エコカー以外)】
車両重量 / 金額種類 | 通常税額 | 新規登録から13年以上~18年未満 | 新規登録から18年以上 |
---|---|---|---|
軽自動車 |
6,600円 |
8,200円 |
8,800円 |
500kg以下 |
8,200円 |
11,400円 |
12,600円 |
小型乗用車(501~1,000kg) |
16,400円 |
22,800円 |
25,200円 |
中型乗用車(1,001~1500kg) |
24,600円 |
34,200円 |
37,800円 |
大型乗用車(1,501~2,000kg) |
32,800円 |
45,600円 |
50,400円 |
超大型乗用車(2,001~2,500kg) |
41,000円 |
57,000円 |
63,000円 |
2,501~3,000kg+ |
49,200円 |
68,400円 |
75,600円 |
【エコカーの重量税の金額一覧】
車両重量 / 減税率 | 本則税率(軽減なし) | 免税 | 75%減税 | 50%減税 | 25%減税 |
---|---|---|---|---|---|
軽自動車 |
5,000円 |
0円 |
1,200円 |
2,500円 |
3,700円 |
500kg以下 |
5,000円 |
0円 |
ー |
2,500円 |
3,700円 |
小型乗用車(501~1,000kg) |
10,000円 |
0円 |
ー |
5,000円 |
7,500円 |
中型乗用車(1,001~1500kg) |
15,000円 |
0円 |
ー |
7,500円 |
11,200円 |
大型乗用車(1,501~2,000kg) |
20,000円 |
0円 |
ー |
10,000円 |
15,000円 |
超大型乗用車(2,001~2,500kg) |
25,000円 |
0円 |
ー |
12,500円 |
18,700円 |
2,501~3,000kg+ |
30,000円 |
0円 |
ー |
15,000円 |
22,500円 |
※本則税率とは本来課税される税額のことです。
上の表を参考に、ご自身の車の重量税はいくらなのか確認してみてください。
【エコカー減税率に関して】
エコカー減税は、排出ガスが少ない・燃費性能がいい車に対して重量税の税率を減免する措置のことです。
減税率は2030年度の燃費基準(目標平均燃費:25.4km/L)の達成率に応じて変化します。
▼適用車両
- ハイブリッド車
- ガソリン車
- クリーンディーゼル車
- 電気自動車
【燃費基準の達成率別の減税率】

自賠責保険料
続いて、自賠責保険料について詳しく解説していきます。
自賠責保険料は契約する年数・本拠に設定している地域(ナンバープレート記載の地域)によって金額が変化します。
ユーザー車検は基本的に継続検査(同じ車で受ける、2回目以降の車検のこと)で利用する方がほとんどです。
以下では24か月分(2年)契約した際の自賠責保険料を記載しています。
【自賠責保険料の金額一覧】
車両区分 / 本拠登録地 | 本土 | 離島地域 | 沖縄県 | 沖縄県の離島 |
---|---|---|---|---|
軽自動車(24ヶ月) |
17,540円 |
7,200円 |
9,960円 |
6,100円 |
普通車(24ヶ月) |
17,650円 |
7,660円 |
9,960円 |
7,660円 |
ご自身の本拠のでは、金額はいくらになるのか確認しておきましょう。
印紙代
次に、車検時の印紙代(印紙発行手数料)について解説していきます。
印紙代として発生する費用は以下の2つです。
【印紙代の内訳】
- 検査登録印紙
- 自動車調査証紙
【印紙代(各種手数料)の合計金額一覧】
車両区分 | 金額 |
---|---|
普通自動車 |
2,300円 |
小型自動車(軽自動車も該当) |
2,200円 |
基本的に、印紙代はどこで車検を受けても変わりません。検査方法や申し込み方法によって金額が若干異なる場合がありますが、基本的に上記の金額が発生します。
整備費用
ユーザー車検の手続き時は、法定費用の支払いのみ発生します。
しかし、検査を受けるまでの点検・修理によって整備費用が発生する場合があり、整備内容・整備する方法によっても費用は変動します。
ほとんどの場合、ユーザー車検では自分で点検・整備をするので、業者に依頼した際の車検基本料(検査料)・工賃は発生しません。
そのため、整備が必要だった場合は部品を自分で購入・交換する必要があります。
車検費用を安くするために交換部品代を安く抑えたり、整備する内容を最低限に抑えるのも全て自分次第になります。
ユーザー車検前に知っておきたい4つのこと
ユーザー車検は業者が介入しない・自分で行うことの範囲が広いので、注意すべきポイントがたくさんあります。
ユーザー車検を利用する前に、以下の4つのポイントをおさえておきましょう。
【おさえておきたい4つのポイント】
- 車検の検査項目を把握しておく必要がある
- 検査は平日の日中のみ受付
- 車検前に24か月点検を受けたほうが安全・安心
- ユーザー車検には落ちやすい項目がある
それぞれ順番に解説していきます。
車検の検査項目を把握しておく必要がある
ユーザー車検を受ける前に、車検で検査される箇所を把握しておきましょう。
どの箇所が検査されるか知ることは、点検箇所を把握するうえで非常に重要です。
また、整備する可能性のある箇所を知ることで、点検・整備の作業がスムーズになります。点検・整備の前に検査される箇所を確認しておきましょう。
主な検査内容の欄から参考になる記事へ移ることも可能です。詳細が気になる方はぜひ参照ください。
【ユーザー車検の検査項目・概要一覧】
検査項目 | 概要 | 主な検査内容 |
---|---|---|
同一性の確認 |
書類上の車の情報と、車検を受ける車が同一かどうか確認 |
ー |
外回り検査 |
外観・外回りについている部品に異常がないかを確認 |
・マフラー |
サイドスリップ検査 |
ハンドルをまっすぐにした状態で、走行にズレがないかを確認 |
・走行のズレの有無 |
ブレーキ検査 |
ブレーキの効き目に異常がないかを確認 |
|
スピードメーター検査 |
ローラー上で走行し、メーターと実際のスピードにズレがないか確認 |
※時速40kmとメーターに表示された場合 実際の走行距離が30.9~42.55kmであれば合格 |
ヘッドライト検査 |
ヘッドライトの光量・光軸・色の確認 |
・バルブ ・レンズの曇り・破損の有無 |
排気ガス検査 |
排ガス中の一酸化炭素・炭化水素の濃度を確認 |
・炭化水素基準値:300ppm ・一酸化炭素基準値:1.0% |
下回り検査 |
車両下部から、オイル類の漏れ・ゴム製カバーの状態を確認 |
※2024年8月からヘッドライト検査が「ロービーム検査」に全面移行
検査は平日の日中のみ受付
ユーザー車検は平日の日中のみ受付しており、営業時間は8:30〜16:00が一般的です。
利用する支局によって若干時間が異なる場合があるので、事前に確認を取るようにしましょう。
また、平日日中は仕事や予定があるため、利用が難しい方もいるでしょう。
平日に時間を作ることが難しい方は、検査を別の誰かに代理で受けてもらうことで解決できます。
車検の代理は、以下のような委任状の提出が求められるので、必ず準備するようにしましょう。
【代理車検時に提出する委任状】

【記入方法】
- 氏名の欄に「車の所有者(車検を任せる人)」の名前を記入
- 1の「登録・検査申請」に〇をする
- 車検証に記載の自動車登録番号または、車台番号を記入
- 委任者の欄に「車検を代理で行う人」の名前を記入
- 委任者の住所を記入
委任状のダウンロードはこちらから(国土交通省HPより)
ユーザー車検を委任する場合は、上記の手順で必要事項を記入しておきましょう。
車検前に24ヶ月点検を受けた方が安全・安心
ユーザー車検を受ける前に、法定点検・点検記録簿の記入を業者に依頼することもできます。
自分で点検・記録簿なしでもユーザー車検を受けることはできますが、プロに法定点検すべてを任せることで安心してユーザー車検を受検可能です。
費用を安くすることも重要な要素ですが、愛車に長く乗り続けることを考えると、車の状態を詳細に把握しておくことも非常に重要です。
点検に関して正確性に不安がある方は、プロに依頼することも検討してみてください。
ユーザー車検には落ちやすい項目がある
ユーザー車検は検査基準が厳しく、不合格になる確率が高いです。
特に、以下の項目は不適合になる確率が高いので要注意です。ユーザー車検を受ける前に確認しておきましょう。
【ユーザー車検で不合格になりやすい項目・箇所】
項目・箇所名 | 検査内容(見られる部分) | 中緯度 |
---|---|---|
タイヤ |
タイヤの溝の深さを検査 |
高 |
点検代ダイヤルステッカー |
期限切れのダイヤルステッカー貼っているかどうか |
高 |
ヘッドライト |
バルブ切れ・光軸のずれ・光度不足 |
高 |
灯火類(ブレーキランプなど) |
バルブ切れ・光度不足 ・光り方など |
中 |
オイル漏れ |
ガスケット・シール不良・劣化 |
中 |
ブーツ類の破れ |
ドライブシャフトブーツの破損 ボールジョイントブーツの破損 |
中 |
ウィンドウウォッシャー機能 |
ウォッシャー液不足・液は正常に発射されるかどうか |
中 |
ワイパー |
ワイパ;-ゴム・ブレード・アームの劣化・正常に動作するかどうか |
中 |
エンジンチェックランプ |
原因は様々。コンピューター診断が必要 |
低 |
シートベルト警告灯 |
警告灯が消灯・点灯しないなど |
低 |
車高 |
最低地上高(地面から)9㎝高さ必要 通常の車高から±4㎝であればOK |
低 |
十分に整備できていない場合も不合格となるので、整備にも細心の注意を払うのが肝心です。
整備するのが難しいと感じた場合は、その箇所のみプロに修理・交換を依頼するのもおすすめです。
ユーザー車検の流れ
続いて、ユーザ車検の流れについて解説していきます。
主に以下の5つの手順に沿って行います。
【ユーザー車検の5つの流れ】
- 必要な書類を準備する
- 点検内容を記録簿に記入する
- 検査の予約をする
- 検査受付を行う
- 検査の実施・結果を待つ
それぞれ順番に解説していきます。
必要な書類を準備する
まずは、点検・整備やユーザー車検の予約を行う前に必要な書類を準備しましょう。
以下は必要なもの8つの入手方法・金額一覧です。
【ユーザー車検に必要なもの一覧】
必要物の名前 | 入手方法 | 金額 |
---|---|---|
車検証 |
もとから所有している |
ー |
自賠責保険証 |
保険業者・行政書士事務所で継続手続き可能 |
17,540~17,650円 (法定費用) |
点検記録簿 |
こちらからダウンロード可能 ※運輸支局でも購入可能 |
ー |
継続検査申込書 |
こちらからダウンロード可能(国土交通省) ※窓口でも入手可能 |
無料 |
重量税納付書 |
窓口で入手可能 |
無料 |
自動車検査票 |
窓口で入手可能 |
無料 |
自動車重量税印紙 |
運輸支局・検査協会の窓口で購入 ※受取後、重量税納付書に貼り付ける |
自分の車の重量税額と同額 |
検査手数料印紙 |
運輸支局・検査協会の窓口で購入 ※受取後、自動車検査票に貼り付ける |
検査手数料分と同額 |
印鑑(認印) |
持参する |
ー |
車検証・自賠責保険証は車のダッシュボードに保管していることがほとんどです。
どこから探せばいいか分からない場合は、まずそこを探してみましょう。
点検内容を記録簿に記入する
検査前に点検した内容を点検整備記録簿に記入します。
以下は記録簿の記入例にです。車検証の情報・点検した内容を記録していきます
自分で車の点検を行い、記録簿を記入することも可能ですが、法定点検のみを業者に依頼して検査項目の点検・記録簿の記入をしてもらうことも可能です。
ユーザー車検は点検整備記録簿を提出しなくても受検可能ですが、新しい車検証に点検整備記録なしと記載されることになります。
点検記録が分からない場合、修理を受ける際や・次回の車検時に「直近でどんな整備を受けたか」を業者が把握することができなくなるデメリットも存在します。
検査の予約をする
点検記録簿の記入が完了したら、 ユーザー車検の予約をしましょう。
先述の通り、検査の予約は平日の日中しか受け付けていないので注意しましょう。
ユーザー車検は以下の2つのサイトから予約可能です。(クリック・タップすると各サイトに移ります)
【ユーザー車検予約可能サイト】
- 自動車検査インターネット予約システム
- 軽自動車検査協会の公式HP (軽自動車の車検を受ける場合)
予約が完了したら、受検者ごとに予約番号が発行されます。ユーザー車検当日に書類に記入するので、ひかえておくようにしましょう。
ユーザー車検当日に行うこと
予約日に各運輸支局・軽自動車検査協会に車を持ち込んで、各種検査手続きを行います。
手順は以下の通りです。
【ユーザー車検当日の受検手順】
- 用紙の入手・記入
- 自動車重量税と検査手巣料の支払い
- 自動車税の納税状況確認
- 検査受付
用紙の入手・記入
まずは窓口で重量税納付書・自動車検査票・継続検査申込書を入手して、必要事項を記入します。
先述の必要物を必ず持っていくようにしましょう。
自動車重量税と検査手数料の支払い
運輸支局内の陸運協会の窓口で「重量税・検査手数料」の支払いを行います。その後、支払った金額分の証紙・印紙を重量税納付書と自動車検査票に貼り付けてもらいます。
※この時点で自賠責保険の継続手続きがまだの方は、自賠責保険の継続手続きを行いましょう。
以下の場所で手続き可能です。運輸支局付近で探してみましょう。
【自賠責保険の手続きが可能な場所】
- 行政書士事務所(一番早くて最もおすすめ)
- 保険会社の本店・支店
- 自動車販売店
- 保険代理店
- 運支局内(できない支局もある)
※自賠責保険の継続申請には古い自賠責保険証と車検証の2つが必要になります。
自動車税の納税確認
ユーザー車検を受検するには、自動車税を支払っているかどうかの確認も必要です。
お手持ちの自動車税納税証明書を提出して納税状況の確認を行いましょう。
検査受付
法定費用全ての支払い・書類の記入が完了したあとは、予約時に発行された番号(予約番号)を窓口で伝えて、上記で用意した書類一式を提出・検査の受付を行います。
万が一、書類の記入事項に不備があった場合はその場で修正可能です。
検査の実施・結果を待つ
ユーザー車検では自分で車を運転して、テストレーン上を走行します。
先述の表の通り、検査コース上でのチェック項目は以下の8つです。
【ユーザー車検の検査項目】
- 同一性の確認
- 外回り検査
- サイドスリップ検査
- ブレーキ検査
- スピードメーター検査
- ヘッドライト検査
- 排気ガス検査
- 下回り検査
検査に合格することができたら、上記で用意した書類一式を継続検査窓口に提出します。
書類受理後、新しい車検証・車検ステッカー(車検標章)を受け取ってユーザー車検完了となります。
ユーザー車検で不合格だった場合は
最後に、ユーザー車検で不合格・再整備が必要になった場合の対処法を紹介していきます。
対処法は以下のとおりです。
【ユーザー車検で不合格だった場合の対処法】
- 軽い整備不良ならテスター屋を利用する
- 当日に整備が難しいケース(自分で交換する場合)
- 整備が難しい場合はプロに依頼する
上から順番に解説していきます。
軽い整備不良ならテスター屋を利用する
テスター屋では軽い整備不良の修理に素早く対応してくれます。
テスター屋とは、予備検査・不合格の場合の検査・調整を行ってくれる業者です。
整備する箇所にもよりますが、1ヵ所あたりの検査・調整にかかる費用は2,000〜3,000円ほどで、比較的安価でスムーズに解決可能です。
軽い不具合が数ヵ所程度なら、テスター屋を利用しましょう。
当日に整備が難しい場合
当日に整備を完了させるのが難しい場合は、後日に必要な部品手配・交換を済ませる必要があります。
交換が完了したのち、再度ユーザー車検の予約を行い、当日に再度受付をして検査を受けましょう。
前回の車検で大体の書類の記入・準備は完了しているので、受付自体はスムーズに完了します。
整備が難しい場合はプロに依頼する
自分で対応できない不具合・故障が発覚した場合は、修理をプロに依頼するのがおすすめです。
むやみに自分で整備してしまうと安全性を損なったり、再度不合格になる恐れもあります。
重大な整備が必要の場合は、専門業者で修理を依頼して、万全な状態でユーザー車検を受けるのがベストです。
まとめ
最後に内容を簡単におさらいしていきます。
ユーザー車検は「車を各運輸支局・軽自動車検査協会に持ち込み、手続きをすべて自分で行う車検」のことです。
各地の運輸支局・軽自動車検査協会で受検可能で、だれでも利用することができます。
【車両重量別のユーザー車検の費用相場】
排気量の平均 |
車両重量 |
費用合計 |
---|---|---|
660㏄以下 |
軽自動車 |
26,340円 |
660~1,500㏄ |
500kg以下 |
27,940円 |
661~2,000㏄ |
小型自動車(501~1,000kg) |
36,350円 |
1,500~3,000cc |
中型自動車(1,001~1,500kg) |
44,550円 |
1,500~3,500cc |
大型自動車(1,501~2,000kg) |
52,750円 |
2,000~4,000cc |
超大型自動車(2,001~2,500kg) |
60,950円 |
2,500~5,000cc |
2,501~3,000kg+ |
69,150円 |
※合計費用は新車登録から13年以内・エコカー以外の車の金額です。
※沖縄県・離島は料金が異なります。
ユーザー車検は車検業者を介さないため、車検基本料金・工賃などが発生しません。
不具合・整備する箇所が特になければ、法定費用のみで済む場合もあります。
ユーザー車検・車検業者で依頼した際の費用相場を比較・確認していきます。
【比較時の前提条件】
- ユーザー車検以外は車検基本料を含む金額
- 以下の費用相場は、店舗ごとに設定している金額の平均
【車検を受けた場所別の車検費用一覧】
車検を受けた場所 / 車両重量 | 軽自動車 | 500kg以下 | 501~1,000kg | 1,001~1,500kg | 1,501~2,000kg | 2,001~2,500kg | 2,501~3,000kg+ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
車検を受けた場所 / 車両重量 |
軽自動車 |
500kg以下 |
501~1000kg |
1,001~1,500kg |
1,501~2,000kg |
2,001~2,500kg |
2,501~3,000kg |
ユーザー車検 |
26,340円 |
27,940円 |
36,350円 |
44,550円 |
52,750円 |
60,950円 |
69,150円 |
車検専門店 |
41,340円 |
42,940円 |
52,850円 |
61,050円 |
71,250円 |
80,950円 |
90,150円 |
ガソリンスタンド |
41,340円 |
44,440円 |
56,350円 |
69,550円 |
82,750円 |
93,450円 |
104,150円 |
カー用品店 |
47,840円 |
50,000円 |
58,850円 |
72,050円 |
83,750円 |
94,950円 |
106,150円 |
中古車販売店 |
56,840円 |
58,940円 |
68,350円 |
77,050円 |
85,750円 |
96,250円 |
107,250円 |
民間の整備工場 |
53,840円 |
57,940円 |
71,350円 |
83,050円 |
100,750円 |
110,750円 |
125,750円 |
ディーラー |
58,000円 |
68,000円 |
86,000円 |
109,000円 |
127,000円 |
146,000円 |
155,000円 |
※上記の金額は割引やキャンペーンなどを反映していない価格です。
※整備内容や使用する部品によって金額は変動します。
続いて、ユーザー車検の費用内訳を再確認していきます。
【ユーザー車検の費用を構成する要素】
- 法定費用
- 整備費用
整備費用は整備内容や交換で使用する部品・交換方法に依存します。
法定費用は自動車重量税・自賠責保険料・印紙代の3つで構成されています。それぞれの金額一覧は以下の通りです。
【車両重量別:重量税の金額一覧(エコカー以外)】
車両重量 / 金額種類 | 通常税額 | 新規登録から13年以上~18年未満 | 新規登録から18年以上 |
---|---|---|---|
軽自動車 |
6,600円 |
8,200円 |
8,800円 |
500kg以下 |
8,200円 |
11,400円 |
12,600円 |
小型乗用車(501~1,000kg) |
16,400円 |
22,800円 |
25,200円 |
中型乗用車(1,001~1500kg) |
24,600円 |
34,200円 |
37,800円 |
大型乗用車(1,501~2,000kg) |
32,800円 |
45,600円 |
50,400円 |
超大型乗用車(2,001~2,500kg) |
41,000円 |
57,000円 |
63,000円 |
2,501~3,000kg |
49,200円 |
68,400円 |
75,600円 |
【車両重量別:エコカーの重量税の金額一覧】
車両重量 / 減税率 | 本則税率(軽減なし) | 免税 | 75%減税 | 50%減税 | 25%減税 |
---|---|---|---|---|---|
軽自動車 |
5,000円 |
0円 |
1,200円 |
2,500円 |
3,700円 |
500kg以下 |
5,000円 |
0円 |
ー |
2,500円 |
3,700円 |
小型乗用車(501~1,000kg) |
10,000円 |
0円 |
ー |
5,000円 |
7,500円 |
中型乗用車(1,001~1500kg) |
15,000円 |
0円 |
ー |
7,500円 |
11,200円 |
大型乗用車(1,501~2,000kg) |
20,000円 |
0円 |
ー |
10,000円 |
15,000円 |
超大型乗用車(2,001~2,500kg) |
25,000円 |
0円 |
ー |
12,500円 |
18,700円 |
2,501~3,000kg |
30,000円 |
0円 |
ー |
15,000円 |
22,500円 |
※本則税率とは本来課税される税額のことです。
【自賠責保険料の金額一覧】
車両区分 / 本拠登録地 | 本土 | 離島地域 | 沖縄県 | 沖縄県の離島 |
---|---|---|---|---|
軽自動車(24ヶ月) |
17,540円 |
7,200円 |
9,960円 |
6,100円 |
普通車(24ヶ月) |
17,650円 |
7,660円 |
9,960円 |
7,660円 |
【印紙代(各種手数料)の合計金額一覧】
車両区分 | 金額 |
---|---|
普通自動車 |
2,300円 |
小型自動車(軽自動車も該当) |
2,200円 |
上記の表で、支払う法定費用額を確認してみてください。
続いて、「ユーザー車検に関して知っておきたいこと4つ」を再確認しておきましょう。
【知っておきたい4つのポイント】
- 車検の検査項目を把握しておく
- 検査は平日の日中のみ受付
- 車検前に24ヶ月点検を受けたほうが安全・安心
- ユーザー車検には落ちやすい項目がある
ユーザー車検の流れ・当日の必要物についても再確認しておきましょう。
【ユーザー車検の流れ】
- 必要なものを準備する
- 点検内容を記録簿に記入する
- 検査の予約をする
- 検査受付を行う
- 検査の実施・結果を待つ
【ユーザー車検に必要なもの一覧】
- 車検証
- 自賠責保険証(新・旧どちらも)
- 点検記録簿(なくても検査は受けられる)
- 重量税納付書(当日入手可能)
- 継続検査申込書(当日入手可能)
- 自動車検査票(当日入手可能)
- 自動車重量税印紙
- 検査手数料印紙
- 印鑑(認印)
ユーザー車検で不合格だった場合の対処法は以下の通りです。
【ユーザー車検不合格時の対処法】
- 軽い整備不良ならテスター屋を利用する
- 当日に整備が難しい場合は、部品調達・交換・ユーザー車検再予約
- 自分で整備ができない不具合の場合は、プロに依頼する
ユーザー車検で費用を最小限にするためには、自分で点検・整備・手続きする必要があり、難易度はとても高いです。
ただ、車検費用を最も安く抑えることが可能なので、何より車検費用を節約したい方・愛車の整備をすべて自分でしたい方は、ぜひチャレンジしてみてください。