「軽自動車の車検費用が10万円を超えた…」 「なんでこんなに高額になるの?」 「安くする方法はない?」
上記のようなお悩み・疑問をお持ちではないでしょうか?
維持費を抑えやすい軽自動車でも、長く乗り続けると車検費用が10万円を超えることも多いです。
車検に慣れていない方の中には、この金額が妥当か判断できない方もいると思います。
そこで当記事では、軽自動車の車検費用が10万円以上のような高額になる理由について、徹底的に解説していきます。
また、以下についても解説していきます。
- 軽自動車で車検費用10万以上は高いかどうか
- 軽自動車の車検費用平均
- 軽自動車の車検費用を10万円以内にする方法
10万円を超える割合・業者別の金額一覧も画像で掲載しているので、軽自動車の車検費用が高額でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
軽自動車の車検費用10万円は比較的高い
結論、10万超えの軽自動車の車検費用は高額といえるでしょう。
軽自動車の法定費用は普通自動車よりも金額が安く、車検費用の合計が安く抑えやすい傾向にあります。
そのため、軽自動車の車検で10万円を超えるケースは少ないです。
また、直近で軽自動車の車検を受けた方を対象に「車検費用はいくらかかったか」というアンケートを実施しました。
調査目的:軽自動車の車検費用相場
調査方法:WEBアンケート
実施会社:ユニオンエタニティ株式会社
対象地域:日本国内 調査母集団:軽自動車の車検を受けたことのあるインターネットユーザー
有効回答数:300件
調査機関:2025年1月14日~1月15日
【軽自動車の車検費用相場:アンケート結果】

価格帯 | 人数 |
---|---|
価格帯 | 人数 |
30,000~50,000円以下 | 54 |
50,000~70,000円以下 | 109 |
70,000~100,000円以下 | 95 |
100,000円以上 | 33 |
覚えていない | 9 |
グラフ・表の通り、費用が10万円以上になったと答えた方は全体の11%という結果となりました。
軽自動車の車検を受けた方10人に1人の割合なので、多くはない数字だといえます。
上記の車検費用額も、様々な要因が絡んで高額になるケースがほとんどです。次の章で高額になる要因を確認していきましょう。
軽自動車の車検費用が高額になる4つの理由
先述の、軽自動車の車検費用が10万円を超えたり、高額になるケースは以下の4つが原因です。
- 車の年式が古い
- 整備が必要な個所が多い
- 車検基本料が高い業者で見積もっている
- 走行距離が10万キロ以上
それぞれ順番に解説していきます。
車の年式が古い
年式の古い車は、車検費用が高額になる傾向にあり、特に新規登録(初回車検時)から13年・18年以上経過した車両は重量税が増額されます。
例えば2005年に新車購入された軽自動車の場合、2025年現在は20年経過の車両に分類されます。
この場合は18年超過に該当するので、重量税額は6600円→8,800円まで増額になります。
また、多数の箇所の整備が必要になった場合、年式の古い車に合うパーツは数が少なく高額なので修理費用が高額になります。
上記が理由で、軽自動車でも車検費用が高額になることを念頭に置いておきましょう。
対して、エコカーには重量税の減額制度があり、国土交通省が定めた燃費基準の達成率によって、減税率が決まります。
まずは、エコカー軽自動車における燃費基準の達成率ごとの減税率を確認していきましょう。
【エコカー・エコカー以外の重量税額一覧】
期間 / 分類 | 本則税率 | 免税 | 75%減税 | 50%減税 | 25%減税 | エコカー外 | エコカー外(13年超過)※1 | エコカー外(18年超過)※2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2年自家用 | 5,000円 | 0円 | 1,200円 | 2,500円 | 3,700円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
3年自家用 | 7,500円 | 0円 | 1,800円 | 3,700円 | 5,600円 | 9,900円 | ー | ー |
▼必要事項の入力手順
- 低燃費かつ低排出ガス認定自動車の隣にある「検索」を押す
- 車検証に記載の型式指定番号を左の欄に入力する
- 類別区分番号を右の欄に入力する
- ページ下部の検索ボタンを押す
▼適用車両
- ハイブリッド車
- ガソリン車
- クリーンディーゼル車
- 電気自動車

整備が必要な箇所が多い
整備個所が多くなることでも軽自動車の車検費用は高額になります。
年式の古い車・使用頻度の高い車などは、車の各部品へのダメージや消耗が多いので、整備箇所が増えやすいです。
細かな整備でも箇所が多くなると、高額な出費につながります。
特に、ディーラーなどの整備に純正部品を使う業者での車検は費用が高額になる確率が高いです。
現状、年式が古い・走行距離が多い軽自動車の車検をディーラーに依頼しようと考えている方は、他の車検業者も検討してみてください。
車検基本料が高い業者で見積もりを取っている
車検基本料が高い業者で車検を受けると、総費用が高額になります。
充実したサービスや高品質な整備を提供する業者ほど基本料が高い傾向にあります。
特にディーラーはこの傾向が強く、車検基本料が高くなりやすい業者の代表例です。
基本料金を見直すだけでも、軽自動車の車検費用を大幅に節約できる可能性があるので、費用を安く抑えたい場合は、基本料を比較しながら車検業者を再検討してみましょう。
走行距離が10万キロ以上
走行距離が10万キロ以上の過走行車は、走行性能に関連する箇所が不具合を起こす確率が高く、車検時の修理費用も高額になりがちです。
軽自動車も例外ではなく、車の重要な部分の不具合による修理費用が高額になりやすいです。
特にトランスミッション系の修理費用は高額になるケースが多く、走行10万キロを超える車を使用している方は注意が必要です。
普段から愛車のケアを行っていない方は、高額な修理が必要になる前にメンテナンスを行うようにしましょう。
軽自動車の車検費用平均は約7万円
前述の通り、軽自動車の車検で10万円を超えるのは高額だと言及しました。
では、平均的にかかる費用はどれぐらいでしょうか?
結論、軽自動車の車検の平均費用は約70,000円です。
以下は、弊社が実施したアンケート調査・各業者の平均費用をあわせて算出した「軽自動車の車検の平均費用」です。

上記の画像のとおり、軽自動車の車検費用は65,500~78,100円と、利用する業者によって13,000円ほどの差額が発生しています。
このように、コストを重視するなら車検業者選びはとても重要になります。
特に「軽自動車の車検見積もり額が10万円を超えた」と納得のいっていない方は、別の車検業者も検討するようにしましょう。
軽自動車の車検費用を10万円以内にする方法
軽自動車の車検費用が10万円を超えて困っている方のために、費用を安く抑える方法を6つ紹介します。
- 車検基本料の安い業者を利用する
- 車検業者が用意している割引を利用する
- 必要最低限の整備内容にする
- 持ち込み部品で整備を依頼する
- 業者を通さずにユーザー車検を受ける
- 愛車のメンテナンスを欠かさず行う
それぞれ順番に解説していきます。
車検基本料の安い業者を利用する
車検基本料の安い業者を利用することで、軽自動車の車検費用を大幅に節約することが可能です。
以下は、主な車検業者5つの車検基本料の平均金額一覧です。
【主な車検業者5つの車検基本料の平均一覧】
業者名 | 車検基本料の平均 |
---|---|
ガソリンスタンド | 12,500円 |
車検専門店 | 14,400円 |
カー用品店 | 23,250円 |
中古車販売店 | 31,400円 |
ディーラー | 45,000円 |
ガソリンスタンドの基本料が最も安く、ディーラーが最も高いという結果になりました。
2つの業者の価格差は32,500円とかなり大きく、大幅な費用削減が見込めます。
現状、ディーラーでの車検を検討している方は、ガソリンスタンド・車検専門店などの車検基本料が安い業者にも見積もり依頼をすることをおすすめします。
車検業者が用意している割引を利用する
車検業者ごとに用意している割引やキャンペーンを利用することも、軽自動車の車検費用を安くするのに効果的です。
1つの割引きあたりの金額は1,000~3,000円ほどですが、一回の車検でたくさん割引が適用されれば、大幅な減額が見l込めます。
以下は、各車検業者で実施している割引をまとめたものです。
【各車検業者で実施されている割引一覧】
割引名名 | 概要 | 割引額の相場 |
---|---|---|
早期予約割引 | 車検予定日のかなり前から予約することで適用予定日より日付が遠いほど割引額が多い | 1,000~3,000円 |
リピート割引 | 前回と同じ車検業者で車検を受けると適用 ※実施していない店舗も多い | 2,000~3,000円 |
代車不要割引 | 代車を利用しないと適用 | 1,000~1,500円 |
WEB割引 | インターネットで予約すると適用 | 1,000~1,500円 |
平日入庫割引 | 平日に来店・入庫をすれば適用 | 1,000~2,000円 |
上記の割引がすべて適用されれば、6,000~11,000円も車検費用から割引されます。
紹介した割引は利用する業者・店舗によって実施状況が異なります。割引に関して気になる方は電話や公式サイトにて確認するようにしましょう。
持ち込み部品で整備を依頼する
持ち込み部品で整備を依頼することで、高額整備の費用をかなり安くすることが可能です。
特にリビルト品は純正部品などに比べて、価格が圧倒的に安い特徴があります。
以下はトヨタのプリウスのフロントドライブシャフトを交換した場合の費用例です。
純正新品・社外新品・リビルトパーツの3種類を使用した際の費用を比較していきます。
【フロントドライブシャフトの費用例】
部品種類 | 部品価格の相場 | 工賃相場 | 合計費用 |
---|---|---|---|
純正部品 | 30,000~50,000円 | 15,000~20,000円 | 45,000~70,000円 |
社外品 | 15,000~20,000円 | 15,000~20,000円 | 30,000~40,000円 |
リビルト品 | 9,000~15,000円 | 17,500~22,500円 | 26,500~37,500円 |
上記の通り、相場が高い純正部品と安いリビルト品では「18,500〜32,500円」の差額が生じています。
もちろん上記以外にも高額な整備箇所は存在します。このような高額な整備が必要な場合はとても効果的なので、ぜひ試してみてください。
- 自分の車に合うパーツを選ぶ必要がある
- 持ち込み整備が可能な車検業者を利用する必要がある
必要最低限の整備内容にする
整備内容の見直し・不要な整備項目を除くことでも、軽自動車の車検費用を安く抑えることが可能です。
車検では57ヵ所の検査項目が定められていますが、それ以外の整備は車検の合否には直接関係しません。そのため、必要最低限の整備に絞ることで、軽自動車の車検費用を抑えることが可能です。
ただし、どの項目が車検の合否に影響するのかを正しく理解しておくことが重要です。
以下の記事では、車検の整備項目に関して詳細に解説しているので、気になる方はぜひ参照ください。

業者を通さずにユーザー車検を受ける
数ある軽自動車の車検費用を安く抑える方法の中で、ユーザー車検が最も費用を節約できます。
ユーザー車検は「業者を通さず、手続きのすべてを自分で行う車検」のことで、業者が設定している車検基本料・工賃・手数料などがまったく発生しないので、費用が安く済みます。
- 深い整備知識が求められる
- 受検するまでに手間と時間がかかる
また、車検で検査される項目への理解と、交換に必要な部品を自分で購入・交換する知識・技術が必要なので、難易度は非常に高いです。
整備知識と技術に自信がある・愛車のメンテナンスは自分で行いたい方はチャレンジしてみてください。
愛車のメンテナンスを欠かさず行う
愛車のメンテナンスを欠かさず行うことで、将来的に発生しうる重大な整備を未然に防ぐことが可能です。
重大な整備の例は、エンジンのオーバーホール(全分解)・エンジン交換・ブレーキ・トランスミッションなどです。
費用が10~20万を超えてくる箇所もあるので、車検前だけでなく日ごろから整備を行うようにしましょう。
以下は、車検費用を抑えるのに効果的なメンテナンス箇所一覧です。
【車検費用を節約するのに効果的なメンテナンス箇所一覧】
メンテナンス箇所 | 役割 | 目的 | 自分で修理した場合の費用 | 業者での修理費用 |
---|---|---|---|---|
エンジンオイル交換 | ・エンジン内の状態維持 ・パフォーマンスを良く保つ | ・エンジン洗浄・交換などの高額整備を予防 | 1,000~2,000円 | 7,000~11,500円 |
冷却水の補充 | ・エンジンの焼き付き防止 | エンジン周りの高額整備を予防 | 1,000~2,500円 | 2,000~5,000円 |
ブレーキフルードの交換 | ・ブレーキの状態維持 ・ブレーキの性能維持 | ・ブレーキ周りの交換・修理を予防 | 2,000~5,000円 | 5,000~10,000円 |
オートマフルードの交換 (ミッションフルード) | ・トランスミッションの性能維持 ・トランスミッションの状態維持 | ミッション周りの高額整備を予防 | 2,000~10,000円 | 8,000~30,000円 |
オイルエレメント交換 | ・エンジンオイルをろ過 ・エンジン内の清潔さを保つ | ・エンジン洗浄などの高額整備を予防 | 1,000~2,000円 | 3,000~9,000円 |
タイヤの空気圧チェック | ・タイヤの劣化防止 ・燃費の維持 ・タイヤ性能の維持 | ・タイヤ交換の頻度を抑える | 無料 | 基本的に無料 |
タイヤローテーション | ・タイヤを効率的に消耗する | ・タイヤ交換の頻度を抑える ・タイヤを効率的に使い切る | 無料 | 2,500円~5,000円 |
交換頻度を高くすることで出費がかさむ恐れはありますが、エンジン修理・交換やミッション交換などの高額な整備が必要な故障を防ぐことが可能です。
車検時にあわせて整備することも可能ですが、車検前に安くで整備できる業者に依頼するか、可能であれば自分で整備することをおすすめします。
安すぎる車検のリスクと注意点
車検基本料が格安な業者を利用する際は、以下の2点に注意する必要があります。
- 極端に安い業者は追加費用が発生する恐れがある
- 必要な整備を省くと後で高額整備が発生する恐れがある
費用を安く抑えたい方にとって、料金が安いこと自体は魅力ですが、安いものには理由があります。
それぞれ順番に解説していきます。
極端に安い業者は追加費用が発生することも
車検費用が安いからといって、サービスの質・車検整備の精度には注意する必要があります。
中には、基本料金を安く設定しつつ後から追加費用を請求する格安車検業者も存在します。
- 車検に直接関係のない整備や交換が見積もりに含まれている
- 点検時に想定外の不具合・修理箇所が見つかり、追加費用が発生する
車検を依頼するうえで、上記のようなケースは多く存在します。
また、各車検業者が公式に載せている費用例のほとんどが「修理箇所がなく基本料金・法定費用のみ支払う場合の金額」です。
そのため、格安車検を利用する際は「追加費用がどの程度かかる可能性があるのか」を事前に確認し、明確な料金体系の業者を選ぶことが重要です。
整備を省きすぎると重大・高額な修理につながる恐れがある
格安車検の多くは「車検に通る最低限の整備」のみを行うことが前提です。
そのため、ブレーキやエンジン、足回りなどの重要な部分の点検・整備が省略される可能性があります。
- ブレーキパッドやタイヤの摩耗を見逃し、安全性が低下する
- エンジンオイルや冷却水の交換を怠り、エンジントラブルを引き起こす
- 足回りの劣化を放置し、走行中の異常や事故の原因になる
結果として、数万円~十数万円以上の修理費がかかるケースもあり、長期的に見れば逆に高くつくこともあります。
対策として、車検前に業者へ「必要最低限の整備だけでなく、安全面のチェックもきちんと行うか」を確認し、必要に応じて追加整備を依頼するようにしましょう。
まとめ
最後に、内容を簡単におさらいしていきましょう。
軽自動車の車検費用が10万円を超えるのは高額で、このような費用が発生する割合は低いです。
以下は、軽自動車の車検費用が高額になる主な要因4つです。
- 車の年式が古い
- 整備が必要な個所が多い
- 車検基本料が高い業者で見積もっている
- 走行距離が10万キロ以上
車の年式が古いと、修理費用や部品代が高くつく可能性が高く、新規登録から13・18年が経過した車両は重量税が増額されます。
上記に該当しない車両は、見積を出してもらった業者の車検基本料を確認してみましょう。基本料金だけでも、依頼する業者によってかなりの差額が発生します。
走行距離が多い車も、修理箇所が多く車検時の整備・修理費用が高額になる可能性が高いです。
軽自動車の車検費用平均は約7万円です。以下のアンケート結果をもとに、業者別に軽自動車の車検費用の平均額を再確認しておきましょう。

軽自動車の車検費用が10万円を超えたり、予想以上に高額なようであれば、以下の6つの方法を活用して費用を安く抑えましょう。
- 車検基本料の安い業者を利用する
- 割引を利用する
- 必要最低限の整備内容にする
- 持ち込み部品で整備を依頼する
- 業者を通さずにユーザー車検を受ける
- 愛車のメンテナンスを欠かさず行う
自分で部品を購入・持ち込んで整備をしてもらう場合は、持ち込み整備可能な業者かどうか確認をとるようにしましょう。
見積もりを見て整備項目が多いと感じた場合は、整備内容・目的を聞いておきましょう。説明内容に納得いかない場合は整備項目の見直しができないか相談するのがおすすめです。
ユーザー車検を受けることで、大幅な費用の節約が可能です。しかし、車検の検査項目を把握する・手続きの全てを自分で行う必要があるため、難易度は高いです。
また、将来的に発生しうる高額整備を防ぐためにも、愛車のメンテナンスは欠かさず行うようにしましょう。
車検基本料が安い業者を利用することで、総費用を安くすることが可能ですが、格安車検を利用する際は以下の2点に注意しましょう。
- 車検に直接関係のない整備や交換が見積もりに含まれている
- 点検時に想定外の不具合・修理箇所が見つかり、追加費用が発生する
格安車検の多くは「車検に通る必要最低限の整備」を前提としていますが、見積もりに車検に関係ない項目が含まれている場合もあります。
また、見積もり時点で安かった費用が、点検・整備中に追加の整備個所が見つかり費用が高くなるケースも存在します。
あわせて、整備内容を省きすぎることにも注意しましょう。コスパ重視の車検では必要な整備も省いて行うケースも存在します。
将来的に重大な故障を引き起こすリスクもあるので、車の状態を考慮したうえで整備内容の見直しを行うことをおすすめします。