「布製タイヤチェーンは耐久性は大丈夫なの?」
「布製でも雪道を安全に走行できるほどの効果があるのか知りたい」
この記事を見つけた方は、布製タイヤチェーンは耐久性・機能面が不安という疑問を持っているのではないでしょうか?
雪道や凍った道路を安全に走行するために、タイヤチェーンは欠かせない製品です。
金属製・ゴム製など様々な種類がある中でも、布製タイヤチェーンは軽量さ・着けやすさの面でも注目されています。
そこでこの記事では、以下の内容を詳しく解説します。
- 布製タイヤチェーンの耐久性と寿命
- 耐久性を下げる行為3選
- 布製タイヤチェーンを長持ちさせる方法
- 布製・金属製・ゴム製タイヤチェーンの特徴比較
この記事を読むことで、布製タイヤチェーンの耐久性・機能面の疑問を解消でき、自分自身の条件に合ったタイヤチェーンがわかります。
布製タイヤチェーンの耐久性と寿命
素材が布で作られているため、耐久性が心配と言われがちなのが布製タイヤチェーン。
布製タイヤチェーンは比較的手頃な金額で購入できますが、もしもすぐに破れてしまうことがあれば困りますよね。
この章では、走行可能距離と推奨運転速度の2点から耐久性と寿命の解説をしていきます。
走行可能距離:数百km
商品やメーカーにより多少の差はありますが、走行可能距離は雪道で数百km程度です。
金属製のタイヤチェーンは年数で耐久性が表されますが、布製タイヤチェーンは使用した距離で耐久性が表されます。
ただし雪道ではなく乾燥した道路を走行した場合だと、数百kmの耐久性が約100kmまで下がってしまうので注意が必要です。
また使用した距離の他にも、布製チェーンの生地のほつれや傷みが見た目でわかる交換のサインです。素材が布であるため、丁寧に扱いチェーンの耐久性を下げないようにしましょう。
布製タイヤチェーンを扱う時の注意点は、記事の後半で紹介しています。
タイヤチェーンを付けるタイミングがわからないという方は、下記の記事を参考にしてみてください。付け外しのタイミングを詳しく説明しています。

推奨運転速度:30~50km/h
推奨運転速度は商品によって異なりますが、一般乗用車は時速40〜50km以下で、大型車両の場合は30km以下での走行が推奨されています。
推奨運転速度を超えて走行するとチェーンの劣化を早め、破損にもつながりやすくなります。
長持ちさせるためにも、速度をしっかりと守り使用することが大切です。
布製タイヤチェーンの耐久性を下げる行為3選
布製タイヤチェーンは使用方法によっては、劣化を早めてしまうこともあります。
この章では、耐久性を下げる行為3選を紹介します。
- 乾燥道路を走行する
- 急ブレーキ・急加速する
- タイヤに着けっぱなしにする
それでは、3つの項目を詳しく解説します。
乾燥道路を走行する
布製タイヤチェーンは雪道を走行することを想定しているため、乾燥道路での使用は布を摩耗させ、劣化を早めます。
雪道を抜け乾燥道路に出た場合は、少し面倒ですがタイヤからチェーンを外して走行することを心がけましょう。
急ブレーキ・急加速する
急ブレーキ・急加速は布製タイヤチェーンに大きな負荷を与えて、劣化を早めます。
推奨運転速度を守ることで布製タイヤチェーンの効果を発揮でき、長持ちさせることができます。
雪道の走行は滑りやすく危険なので、急ブレーキ・急加速を控えて布製タイヤチェーンの劣化を防止しましょう。
タイヤに着けっぱなしにする
布製タイヤチェーンは素材の性質上、水分を含みやすいため、長時間の駐車で装着したままだと、凍結する恐れがあります。
さらに、駐車時の路面に凍結した生地がひっつき、破損してしまう可能性もあります。また、チェーンが凍っている場合、走行できたとしても十分な効果を発揮することができません。
そのため、目安として30分以上駐車するときは布製タイヤチェーンを外すことをおすすめします。一手間かかりますが、劣化を防止するために忘れずに取り外しましょう。

布製タイヤチェーンを長持ちさせる方法3選
この章では布製タイヤチェーンを長持ちさせる方法3選を紹介します。
せっかく購入したのに、すぐに破損してしまうことは避けたいですよね。
紹介する3つのポイントを抑えることで、チェーンの耐久性や寿命は大きく変わってきます。
長持ちさせるポイントは以下の3点です。
- 雪道だけで使用
- 汚れを落とし暗い場所で保管
- サイズに合った物を使用
雪道だけで使用する
布製タイヤチェーンを長持ちさせるためには、雪道だけで使用するようにし、乾燥道路を走る場合はチェーンを外すことを心がけましょう。
雪道以外で使用しない方が良い理由としては、乾燥路面では雪道に比べ摩擦が増えチェーンに大きなダメージを与え劣化を進めてしまうからです。
また、摩擦が増えチェーンにダメージを与えることは劣化させるだけではなく破損につながる可能性があります。
そもそも、布製タイヤチェーンだけに限らず、チェーンは雪道を走行することを想定して作られています。正しい用途で使用することによって、劣化を早めず長持ちさせることが可能です。
汚れを落とし暗い場所で保管する
布製タイヤチェーンは紫外線の影響を受けやすいため、汚れを落とし暗い場所で保管することを心がけましょう。
夏場は車内で保管していても高温になり、劣化を早めてしまうことがあります。なるべく涼しく日光の当たらない場所で保管することがおすすめです。
また、冬の路面には結露防止剤が撒かれており、そのままの状態で保管をしてしまうと布の劣化の原因になる可能性があります。
チェーンを使用しない季節には、水洗いをして清潔な状態で保管をしましょう。
金属製のチェーンも同様に汚れたままだと錆の原因になってしまうので、洗って保管することを心がけましょう。
サイズに合った物を使用する
布製タイヤチェーンはタイヤサイズに合った物を使用しましょう。サイズが合わない状態で走行していると、走行中に外れたり破損する可能性がありとても危険です。
タイヤサイズはタイヤの側面に書かれていますが、わからない場合は販売サイトでの確認やカー用品店で尋ねることも可能です。適切なサイズのタイヤチェーンを着用し、安全に使用しましょう。
下記の記事では、詳しいタイヤサイズの確認方法が記載してあるので、良ければ参考にしてみてください。

布製・金属製・ゴム製タイヤチェーンの比較
下記の表は布製・金属製・ゴム製の特徴を比較したものです。
布製・金属製・ゴム製の比較 | |||
布 | 金属 | ゴム | |
価格 | 3000円~ | 3000円~ | 4000円~ |
耐久力(走行可能距離) | 数百km | 5~10年 | 約5年 |
重さ | 1kg未満 | 3kg~ | 6kg~ |
静音性 | 高い | 低い | 高い |
高速道路での使用 | ○ | ○ | ○ |
価格は、布製・金属製よりゴム製が高く、耐久性については金属製が5~10年と一番長持ちします。布製チェーンは3種類の中で一番軽量で、持ち運びやつけ外しがしやすい点がポイントです。
静音性については、布製・ゴム製が優れています。柔らかい素材でできているためチェーン自体に凸凹が少なく、快適な運転が可能です。
また高速道路では、布製・金属製・ゴム製すべて使用可能です。
3種類とも国土交通省が定める「チェーン規制」の際も通行の許可が下りているので機能面で安全であることがわかります。
【チェーン規制とは】
大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときに特定の区間や高速道路で行われる規制のことです。チェーン規制の適用区間では、チェーンを装着していない車は通行することができません。
タイヤチェーン3種類の特徴とデメリット比較
タイヤチェーンは主に、布製・金属製・ゴム製に分けられそれぞれに特徴があります。
この章ではそれぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく紹介しています。
使用頻度やチェーンのメリット・デメリットを見て、条件に合った製品を見つけてみてください。
布製タイヤチェーンの特徴
布製タイヤチェーンの特徴 | |
メリット | デメリット |
・着脱が容易 ・静音性が高く滑らかに走れる ・アイスバーンに強い |
・耐久性が金属製に比べて低い ・毎日使用するのには向いていない |
布製タイヤチェーンは上記の画像のように工具を使用せず1人で着けることができます。チェーンが軽量で力をあまり必要としないので、1人でも安心して作業ができる点が魅力です。
また、素材が布であるので金属製チェーンを着けた場合より走行中の音が小さく快適に運転をすることができます。
チェーンに求められるグリップ力ですが、布製チェーンの場合特にアイスバーン(凍結路)での走行に高い効果を発揮します。
アイスバーンに強い性能に関しては、スリップの原因となる水の膜を布で吸収し分散させるため、凍結した道路でも高い機能性を発揮します。
反対にデメリットとしては、耐久性の低さや、常用に向いていない点が挙げられます。製品にもよりますが、布製チェーンの耐久性は雪道で数百キロが目安です。
積雪地帯に住んでいて、毎日チェーンを使う場合布製だとすぐに耐久性の限界が来てしまう可能性があります。
このことから、非降雪地帯に住んでいて、年に数回しか雪道を走らないという方には、コンパクトに収納できる布製チェーンがおすすめです。
「布製チェーンを購入したいけど、どれを買えば良いかわからない」という方は、下記の記事を参考にしてみてください。おすすめの布製チェーン6選を紹介しています。

金属製タイヤチェーンの特徴
金属製タイヤチェーンの特徴 | |
メリット | デメリット |
・グリップ力に優れている ・積雪路面だけではなく凍結路にも強い ・比較的安価 |
・着脱の手間がかかる ・走行音が大きい ・水分や汚れを取らなければ錆びやすい |
金属製チェーンは、タイヤに着けると表面に凹凸ができることから、滑りやすい雪道や凍結路でも地面をしっかりと捉え高いグリップ力を発揮します。
さらに、金属製チェーンは安価であることも魅力です。
反対にデメリットとしては、着脱に手間がかかる、走行音が大きい、錆びやすさが挙げられます。金属製は重量が最低でも3kg程あり、タイヤに着けると考えると負担がかかります。
また、タイヤの表面の凸凹かつ金属製であることから走行音が布製やゴム製より大きくなってしまいます。
金属製チェーンは、走行時の静音性より、機能性と高いコストパフォーマンスを求める人におすすめです。
ゴム製タイヤチェーンの特徴
ゴム製タイヤチェーンの特徴 | |
メリット | デメリット |
・乾いた道路でも走行可能 ・軽量で取り付けが可能 ・走行音が小さい ・錆びづらい |
・経年劣化に注意が必要 ・価格が少し高い ・使用期限が金属製より短い |
ゴム製タイヤチェーンは、乾いた道路でも走行可能なので一時的に雪がない道路を走行する際に、チェーンを外す手間が省けます。
布製と似ており、軽量で取り付けが簡単な点、走行音が小さく静音性に優れている点が魅力です。
それに加えて、使用後の錆の心配がありません。もちろん汚れを取る必要はありますが、金属製ほど使用後の手入れに注意を払わなくて良いのもメリットの1つです。
反対にデメリットとしては、経年劣化に注意しなければいけない点です。時間の経過に伴い、品質や本来の性能が低下する可能性があります。
また、ゴム製チェーンは価格が布製・金属製と比べると少し高くなります。ネット通販で3.5以上の評価で調べると4000円ほどから購入できる商品が多く見られました。
静音性の高さを求める人や、使用後の錆の心配をなくしたいという人にはゴム製タイヤチェーンがおすすめです。
まとめ
布製タイヤチェーンの耐久性は約数百kmで、価格も3000円ほどから購入できます。
布製は機能が心配されることが多いですが、国土交通省が定める「チェーン規制」の中に布製タイヤチェーン着用での通行も許可が下りているので安全であることがわかります。
そして、布製タイヤチェーンは軽量なため一人での持ち運びや着脱も可能であり、たまにしかチェーンを使わない人や緊急時に備えたいという人におすすめな製品です。
使わない際もコンパクトに収納できるので、チェーンを車に常備することもできます。