タイヤのひび割れの許容範囲は?車検に通る基準を整備士が解説

    タイヤのひび割れの許容範囲は?車検に通る基準を整備士が解説

    「タイヤにひび割れがあっても車検に通るの?」 「タイヤを交換する目安を知りたい」

    タイヤは距離を走らなくても、年数と共に劣化してひび割れを起こします。

    溝が残っていてもひび割れがあれば車検には通らないのでは?と不安になりますよね。

    そこで今回は、以下の3つについて現役の整備士が解説します。

    • ひび割れの状況をレベル別に解説
    • タイヤのひび割れを防ぐ方法
    • タイヤを交換する目安

    この記事では、車検に通るタイヤのひび割れの許容範囲がわかります。

    結論からいうと、タイヤのひび割れが表面にとどまっていれば車検は通ります。また、タイヤ交換の目安もお伝えするので、損することなく交換時期を判断できますよ。

    タイヤは車の走行に直結する重要なパーツです。安全に走行するためにも、適切な時期に交換しましょう。

    目次

    タイヤのひび割れは5つレベルに分けられる

    タイヤのひび割れは5つのレベルに分かれ、危険度を判断できます。

    出典:一般社団法人日本自動車タイヤ協会
    • 【レベル1・2】表面に細かいひびやシワが見える
    • 【レベル3・4】表面にひびがある&ひびの深さが1mm程度
    • 【レベル5】ひびがタイヤの奥深くまで到達している

    交換が必要なのか、まだ使用しても大丈夫なのかを判断できるので、ぜひ参考にしてください。

    それでは、5つのレベルについて詳しく解説する上で、タイヤの部位の語句が出てきます。 説明は次の表をご参考にしてください。

    名称 役割
    トレッド部 タイヤの外側。摩耗や外傷からカーカスを保護し、路面に接してグリップ力を発揮する。
    ショルダー部 タイヤの肩部分。路面との摩擦で起こる熱を発散する。
    サイドウォール部 路面からのショックを吸収し、カーカスを保護する。
    ビード部 タイヤとホイールを固定する。
    ベルト タイヤとカーカスの間にある補強材。トレッドの耐久性を高める。
    カーカス タイヤの骨格部分で、タイヤの構造を維持する。衝撃や重さに耐え空気圧を保つ。

    【レベル1・2】表面に細かいひびやシワが見える

    レベル1・2は、タイヤのトレッド部(外側のゴムの部分)に細かいひびやシワが見える程度のひび割れを指します。

    表面に現れる細かいひびやシワは、走行には問題ありません。軽度のひび割れなら、引き続き使用できます。

    日常点検を行いながら空気圧を正常に保ち、必要に応じてタイヤローテーション(前後左右のタイヤの入れ替え)を行いながら使用してください。

    【レベル3・4】表面にひびがある&ひびの深さが1mm程度

    レベル3・4は、表面のひび割れが目視ではっきりとわかる、ひび割れの深さが1㎜程度の状態を指します。

    レベル1・2よりもひび割れの範囲が広くなった、ひび割れが深くなった場合、使用は可能ですが注意が必要です。

    ひび割れの範囲が広がったり深くなったりするのは、使用年数や走行距離が長くなった証拠です。

    タイヤの中には「カーカス」とよばれ、タイヤの構造を維持しながら衝撃や重さに耐え、空気圧を保つ役割をする部分があります。

    タイヤの骨格を担うカーカスにひび割れが及ぶまでは使用できますが、カーカスを損傷する前に交換するほうが安全です。

    レベル1・2のときよりも念入りに日常点検を行い、ひどくなる場合は交換をおすすめします。

    【レベル5】ひびがタイヤ奥深くまで到達している

    レベル5は、ひび割れがタイヤの奥深くに及んでいる状態を指します。

    レベル3・4以上にひび割れがひどくなり、悪化してしまうとタイヤ交換が必要です。

    奥深くまでひび割れが到達してしまうということは、タイヤのカーカスを損傷している可能性があります。

    カーカスは人間に例えると骨です。骨折をしたり、骨に傷ができたりすると非常に危険ですよね。

    タイヤも同じで、もしひび割れが深くカーカスを損傷してしまうと、走行中にバーストが起こる可能性があります。

    バーストは大きな音と強い衝撃でハンドル操作ができなくなり、事故の原因になります。

    レベル5になる前に、早めにタイヤを交換しましょう。

    ひび割れが表面にとどまっていれば車検には通る

    タイヤのひび割れが表面にとどまる程度なら車検に通ります。浅いひび割れや細かいシワなど、軽度のものなら問題ないでしょう

    タイヤの溝には1.6㎜以上と明確な基準があるものの、ひび割れに関してははっきりとした基準がなく、検査員の判断に任せられる場合が多く見られます。

    目視ではっきりわかる中度のひび割れになると判断は分かれますが、カーカスにひび割れが達していなければ通る可能性はあります。

    ただし、タイヤのワイヤー(カーカス)が明らかに見えている、タイヤの側面にひび割れがある、タイヤ側面にふくらみがある場合は車検に通らないと思っていいでしょう。

    車検は車が安全に走行するための検査なので、バーストの危険があるタイヤを通すわけにはいきません。

    タイヤのひび割れの3つの防止策

    ここまでタイヤのひび割れについて解説しました。軽度のひび割れなら車検には通りますが、ひび割れのレベルが上がると交換が必要になります。

    では、タイヤのひび割れを防止するにはどうすればいいのでしょうか?

    タイヤのひび割れを防ぐには、次の3つの防止策が考えられます。

    • 油性ではなく水溶性のタイヤワックスを使う
    • 紫外線や熱を避けて保管する
    • 空気圧を定期的に調整する

    タイヤはゴムでできているので、年数と共に劣化するのは避けられませんが、少しでも長持ちさせる方法はあります。

    それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

    油性ワックスの使用をひかえる

    油性のタイヤワックスを使用すると、ひび割れがひどくなる可能性があります。

    タイヤワックスには、汚れの防止やタイヤのつや出し、ひび割れや色褪せを防止する役割があり、油性のものと水溶性のものがあります。

    油性のタイヤワックスは「石油系溶剤」にシリコンを溶かしているので、水に強く長持ちするかわりに、タイヤを保護する成分を失ってしまうのが欠点です。

    しかし、水溶性のワックスは水に弱く、タイヤの保護成分が染み出す前に落ちるので心配いりません。

    タイヤを長持ちさせるためには、油性ではなく水溶性のタイヤワックスを使用しましょう。

    紫外線や熱を避ける場所で保管する

    2つ目の防止策は、紫外線や熱を避けて保管することです。

    タイヤのゴムは紫外線が当たると化学反応を起こし、ひび割れが起こりやすくなります。

    タイヤには劣化防止剤という成分がふくまれており、紫外線から守る役割をしています。

    しかし、劣化防止剤はタイヤが高温になると気化してしまうので、タイヤを紫外線から守ることができません。

    直射日光が当たる、土の上、コンクリートやアスファルトなど高温になる場所での保管は避けてください。

    自宅で保管するのなら、カーポートを取り付けるなどの工夫をしましょう。

    空気圧を定期的に調整する

    3つ目の防止策は、空気圧を定期的に調整することです。

    タイヤの空気はパンクなどの原因がなくても、時間の経過と共に少しずつ減っていきます。

    正常なタイヤでも減るので問題ありません。自転車のタイヤにも同じことがいえます。

    しかし、空気圧が不足したタイヤでそのまま走行を続けると、タイヤの寿命を縮めるだけでなく燃費が悪くなったりハンドル操作に支障が出たりします。

    最悪の場合、バーストする危険もあります

    給油のついでにガソリンスタンドで空気圧を点検するなどして、空気圧が不足しないようにしましょう。

    また、空気圧が高すぎてもいけません。

    高すぎるとタイヤが偏摩耗(片減り)を起こしたり、乗り心地が悪くなったりします。

    車種やメーカーによって基準値はちがうので、必ず適正な空気圧に調整するようにしましょう。

    タイヤの交換を判断する目安

    ここまでタイヤのひび割れを防止する方法を解説してきました。少しでも長くタイヤを使える方法がおわかりいただけたと思います。

    しかし、長持ちする方法はわかってもタイヤは消耗品です。いつかは交換する必要があります。

    タイヤ交換を判断する目安は、次の2つです。

    • 使用年数や走行距離
    • タイヤの溝やスリップサイン

    タイヤ交換を判断するには、タイヤそのものだけでなくさまざまな要素で判断します。あくまで目安ですが、参考にしてください。

    それでは、詳しく解説します。

    使用年数や走行距離で判断

    タイヤの交換時期は、使用年数や走行距離が判断の目安となります。

    一般的にいわれているのが、使用年数4〜5年、走行距離約30,000kmです。

    タイヤはゴムでできているので、たとえ走行距離が少なくても年数と共に劣化していきます。

    使用状況によっては4〜5年より早く劣化する可能性もあります。

    車の使用頻度や駐車している環境、荷物の有無や道路状況によって変化することも。

    また、車種やタイヤによって異なりますが、タイヤは5,000㎞走行すると1㎜摩耗するといわれています。 新品タイヤの溝は約8㎜なので、走行距離が32,000㎞でタイヤの車検が通る限界値、1.6㎜まで摩耗する計算です。 ただし、走行距離もタイヤの使用状況によって溝の減りは大きく異なります。 使用年数や走行距離は1つの目安として考えてください。

    タイヤの溝やスリップサインが見えた時

    タイヤ交換を考えるとき、一番の判断材料になるのがタイヤの溝やスリップサインです。

    スリップサインとは、タイヤがすり減り残りの溝が1.6㎜になったことを知らせるものです。

    タイヤの三角マークの延長線上にあり、トレッド部が少し盛り上がった部分がスリップサインで、タイヤの溝が減ると現れます。

    1箇所でもスリップサインが見えると車検には通りません。

    タイヤの溝が少なくなると、ブレーキの効きが悪くなったり、ハンドル操作がしにくくなったりと走行に支障がでます。

    タイヤの溝は乗車している人すべての命をにぎっています。スリップサインが見えたらすぐに交換しましょう。

    タイヤ交換をする3つの方法

    ここまでタイヤ交換を判断する目安を解説しましたが、実際にどのようにタイヤ交換を行えばいいのでしょうか?

    タイヤ交換には、次の3つの方法があります。

    • タイヤを購入し自分で履き替える
    • タイヤ店やディーラーでやってもらう
    • タイヤ購入と同時に交換予約もできるサイトを使う

    1つずつ詳しく解説します。

    タイヤを購入し自分で履き替える

    自分でタイヤを履き替える場合は、ホイールごと交換になります。

    必ず周囲や作業者の安全を確保して実施するようにしてください。

    それでは、説明します。

    1. 交換するタイヤのホイールナットを少しだけ緩めておく
    2. 交換しないほうのタイヤを輪留めする
    3. ジャッキアップして車体を持ち上げる。前輪を交換する場合は前を、後輪なら後ろをジャッキアップする(後輪の場合はサイドブレーキを解除する)
    4. ホイールナットを緩め、タイヤを取り外す
    5. 新しいタイヤを取り付ける(ホイールナットは仮止め)
    6. ジャッキを下ろし、車体を地面につける
    7. サイドブレーキを引く
    8. タイヤを本締めする(トルクレンチを使い規定の強さで取り付ける)

    ホイールナットを本締めするときは、対角線上に締め付けるようにしてください。

    タイヤ店やディーラーでやってもらう

    2つ目の方法は、タイヤ店やディーラーにタイヤ交換を依頼する方法です。

    タイヤ店やディーラーには、タイヤチェンジャーとよばれる専用の機械があるので、ホイールごと交換しなくてもタイヤのゴム部分だけの交換ができます

    ホイールつきのタイヤを用意しなくてもゴムの部分だけの購入ですむので、自分で交換するよりも部品代は安くなります。

    しかし、いくら部品代が安くなっても作業工賃は必要です。大きいサイズのタイヤや、薄いタイプのタイヤだと、工賃は高くなる傾向にあります。

    タイヤ購入と同時に交換予約もできるサイトを使う

    3つ目の方法は、タイヤ購入と交換予約を同時にできるWebサイトの利用です。

    自分で好きなタイヤを選択でき、交換費用など金額に納得してから購入できます。

    面倒な交換予約もタイヤの購入と同時にネットでできるので、電話をかける手間がかからず、他の部品交換をすすめられることもありません。

    支払いもネット上で完結でき、予約した日は車をもって店舗に行くだけでタイヤ交換ができます。

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    タイヤのひび割れが軽度のものなら車検も通り、走行にも支障はありません。

    ですが、はっきりと目視できるひび割れや、奥深くまで到達している場合は早めに交換をおすすめします。

    タイヤの骨格であるカーカスを損傷する前に交換するほうが、不安なくカーライフを楽しめますよ。

    とはいえ、タイヤ交換はお金も手間もかかります。できるだけ安く、簡単にすませたいですよね。

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