車のエンジンをかける際に重要な役割を持つバッテリー。
バッテリーが上がってしまうと、エンジンをかけることができません。
車で遊びに行き帰ろうと思ったらバッテリーが上がってしまい、エンジンをかけることができなかった。このような経験はありませんか。
バッテリー上がりはとてもやっかいなトラブルですが、車のチェックランプにもバッテリーマークがあり、これが点灯した場合バッテリーが充電されていない可能性が高いです。
急にバッテリーチェックランプが点灯すれば、驚きますし不安だと思います。
今まさにバッテリーマークが点灯している方の為に、今回はバッテリーマークが点灯する原因や、対処法をご紹介していきます。
車のバッテリーマーク(充電警告灯)の意味は?
バッテリーマークに限らず、メーター計に取り付けられたチェックランプには、車の異常を目視により確認させ、異常を把握してもらうという役割があります。
車の所有者全員が車の知識を持っているわけではありません。
なかには「エンジンオイルって交換しなければならないの?」という方も多いでしょう。
このような方でもすぐに分かるよう、チェックランプが設置されているのです。
警告灯とも呼ばれるチェックランプには、点灯させることで「車に異常が発生しているので修理してくださいね」と警告する役割があります。
チェックランプのひとつであるバッテリーマークには、バッテリーの充電がされていないという意味があるのです。
車のバッテリーマーク(充電警告灯)が「点灯」する原因と対処法
バッテリーマークには、バッテリーが充電されていないという意味があるとお伝えしましたが、いったいどのような場面で点灯するのでしょうか。
バッテリーマークが点灯する原因をそれぞれご紹介していきます。
バッテリーが劣化している可能性
まず初めにバッテリーが劣化し、点灯している可能性が挙げられます。
普通にバッテリーが劣化した場合なら点灯しませんが、電極版に何らかの異常が発生し、電気がうまく充電できなければ点灯してしまうのです。
バッテリーは希硫酸と電極版が化学反応を起こし、電気を発生させます。
発生した電気はエンジンをかける際や、ライト、オーディオなどの電装系へ使われ、電気が使われると希硫酸は水へと変化します。
何らかの原因で電極版に異常が発生してしまうと、バッテリー内で電気を作ることができず、結果、充電が行われないというトラブルにつながるのです。
では少し具体的にご説明しましょう。
バッテリー内の液が異常なほど不足すると、電極版が空気中にむき出しになってしまいます。
むき出しになった電極版では、本来充電することで水に溶け込むはずの硫酸が電極版で結晶化してしまいます。
こうなってしまうと、12Vまで回復しません。
充電を行っても元には戻らない為、常にバッテリーの電圧が低い状態となってしまうのです。
このような劣化はバッテリーが新しくても起こる現象であり、古いバッテリーで起こる劣化とは意味が違ってきます。
オルタネーターが故障している可能性
次はオルタネーターが故障している可能性について説明していきます。オルタネーターは発電機です。
車の電気はバッテリーだけで供給されているのではありません。
エンジンがかかるとオルタネーターが起動し、電気供給を行います。
オルタネーターは、ライトやプラグなどへの電気供給と共に、バッテリーの充電も行なっています。
たった12Vの電圧しかないバッテリーが何年も使用できるのは、オルタネーターによって常に充電されているからです。
しかしオルタネーターも劣化により故障します。
オルタネーターが故障すると、当然バッテリーは充電されずバッテリーマークが点灯します。
気にせず走行を続けると、バッテリーの充電が無くなり結果、車が動かなくなるという事態に。
こうなってしまうと、通常のバッテリー上がりとはわけが違います。
ジャンピングスタートもできませんし、そもそもエンジンをかけてもすぐにバッテリー上がりの症状を示してしまうのです。
ファンベルトが劣化している可能性
最後に、ファンベルトが劣化している可能性を説明します。オルタネーターはエンジンの回転によって作動します。
ファンベルトを介して、オルタネーターに動力を伝え発電させるのです。
しかしベルトが劣化していくことで、ベルトの内側にある溝がすり減り、エンジンからうまく動力を伝達できなくなってしまいます。
簡単にいうと、ベルトが空回りしてしまうということです。
ベルトが空回りしてしまうと、オルタネーターは正常に発電できなくなり、バッテリーまで電気を送ることができません。
バッテリーが充電されていない事を感知したセンサーは、チェックランプを点灯。
この場合もそのまま走行を続けると、バッテリー上がりの症状を表します。
バッテリーマーク(充電警告灯)が「点滅」している時の原因と対処法
バッテリマークには点灯、点滅を分ける仕組みはありません。
車種によっては点滅させている車もありますが、基本的には点灯させています。
点滅と感じるのは点いたり消えたりしているからであり、考えられる原因はオルタネーター関係。
故障まではしていないが、正常に作動していないオルタネーターが、バッテリーに電気を供給したりしなかったりすることで、チェックランプが点いたり消えたりしているのではないでしょうか。
点滅と聞くだけでは原因を判断できないので、バッテリーマークが点灯や点滅した場合、すぐに整備工場へ持って行きましょう。
バッテリーマークが点灯した場合も、点滅した場合も対処方法は同じです。
無理に車を動かさず、安全な場所へ停め
ロードサービスを待っている間に、バッテリーが上がる可能性もあります。
そのような時には、ロードサービスの方にバッテリーチェックランプが点灯して、バッテリー上がりを起こした、という状況を正確に伝えることが大切です。
ロードサービスの方もバッテリー上がりの車を見ただけで、オルタネーターの故障を判断することはできません。正確な情報を伝えることがとても大切なのです。
バッテリーマーク(充電警告灯)が点灯しているときの対処方法は?
バッテリーマークが点灯している場合どうしたらよいのでしょうか?
点灯した場合の対処法を紹介していきます。
①すぐに安全な場所に移動して停車する
走行中にバッテリーマークが点灯した場合は、焦らず安全な場所へ停車しましょう。
バッテリーマークが点灯したからといって車がすぐ止まってしまうわけではないので、安全な場所まで走行してから止めましょう。
安全な場所とは、後続車の有無や距離などを確認してから、路肩に止めましょう。
これは、一般道路でも高速道路でも同じ対応を取ってください。
すぐに停車できない場合は、カーオーディオやエアコンを切り、バッテリーの消費電力をなるべく減らしながら走行しましょう。
安全な場所が見つかったらすぐ停車しましょう。
②バッテリーの配線が外れていないか確認する
安全な場所で停車できたら、車の状態を確認します。
バッテリーのプラスとマイナスの端子に繋がっている配線が外れていないか確認をしてください。
一見、バッテリーに付いているように見えても、緩んでいる場合があります。
確認方法はプラスとマイナスの端子に装着されている根元の金具を持ち軽くゆすります。
軽くゆすった時に配線が外れてしまったり配線が緩んでいる場合は、取り付けましょう。
配線の正しい取り付け方は下の記事で詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
③自分で応急処置をする
応急処置ができそうであれば、自分で処置を行いましょう。
新品のバッテリーを持っている場合には新しいバッテリーに交換してみたり、ジャンピングスタートを所持している場合は使用をしてみたりしましょう。
バッテリー交換やジャンピングスタートで処理しても作動しない場合や、原因不明の場合はJAFや整備工場などに連絡して見てもらいましょう。
④車が自走できるか確認する
自走できるか確認する理由は、JAFか整備工場に持ち込みできるか確認するためです。
自走できるかの判断は、エンジンが始動するかや途中で車が動かなくなることがなく安全に走行できるかで確認します。
車が動かない場合はJAFやロードサービスを呼びましょう。
ただし、バッテリーランプが付いている以上、いつブレーキが止まってもおかしくない状態です。
自走できるか確認するのは応急処置によりバッテリーランプが消えた場合のみにしましょう。
バッテリーマークが自宅で点灯した時にできることは
まず最初にバッテリーが寿命を迎えたかどうかテスターで確認しましょう。
バッテリーが寿命を迎えているようなら新しいバッテリーと交換しましょう。
バッテリー交換は自分でも交換することができます。
テスターを使用しても電圧に問題がない場合、配線やヒューズが問題ないがある場合が多いので、配線が外れていないか、接続が緩んでいないか確認しましょう。
整備工場などに救援を頼む
問題のある個所が分からない場合は整備工場などに修理を頼みましょう。
電気系統の部分になるので、バッテリーマークが点灯する理由が分からない場合や自分で修理することが不安な場合は迷わずプロに頼みましょう。
エンジンが付く場合は整備工場に持っていくこともできますが、バッテリーランプが点灯している場合はエンジンが急にかからなくなることもありますので、念のためJAFやロードスターを呼ぶことをおすすめします。
バッテリーランプの点灯・点滅を防げる?
バッテリーランプの点灯・点滅は定期的な点検で防ぐことができます。
大前提として、バッテリーランプが点灯したからといって、すぐにエンジンが止まってしまうということはありません。
しかし、バッテリーランプが点灯すると普段つかないランプなので不安になりますよね。
そこで、バッテリーランプがつく前兆を下記にまとめているので、このような前兆が見られる場合は一度点検に行ってみましょう。
・オーディオやエアコンが不調
・キュルキュルという高い音が鳴る
・パワーウィンドウの動作が鈍い
・ヘッドライトが暗く感じる
このような場合にはバッテリーや発電機が不調になっている可能性があります。
バッテリーランプがついてしまう可能性も含んでいるので、このような症状に心当たりのある方は、一度点検に行ってみましょう。
まとめ
バッテリーランプの原因は、バッテリーの電圧が減っているから点灯するのではなく、バッテリーの充電がうまく行われない為に点灯します。
電圧が減っているのは充電ができていない事の結果であり、トラブルの原因は充電するという行為自体にあるのです。
考えられる一番の原因は、オルタネーターの故障。
チェックランプを点灯させたまま走行を続けると、終いにはバッテリー上がりを起こしてしまいます。
走行中にバッテリーマークが点灯した場合、速やかに車を停め