スノーワイパーとは、冬の寒さや雪が降っている中でも、凍結しないように作られたワイパーのことです。
スノーワイパーを使用することで、冬の悪天候の中でもフロントガラスの雪をしっかりと拭き取ってくれるため、安心して走行しやすくなります。
当記事では、スノーワイパーと夏用ワイパーの違いや、スノーワイパーの必要性、選び方やおすすめの商品などについて解説していきます。
雪用のスノーワイパーは夏にも使える
スノーワイパーと聞くと、雪が降る冬場のものというイメージを持つ方も多いでしょう。
結論からいうと、スノーワイパーは、雪が冬場だけでなく雨の降る夏のシーズンにも使うことができます。
ただしスノーワイパーは、紫外線や夏の暑い気温の中にさらされると、劣化が早まります。
後ほど詳しく説明しますが、スノーワイパーは通常のワイパーと比べると柔らかく、ゴムの耐久性が劣るからです。
また、通常のワイパーと比べて数千円と1本あたりの価格が高くなる傾向があります。
Amazon等のECモールで価格を調べてみると分かりますが、夏用ワイパーが700円ほどで販売されている一方、冬用のワイパーは3倍以上の2200円ほどの値段がする場合もあります。
スノーワイパーを使える期間を伸ばすためにも、使用は寒い冬のシーズンにとどめ、暖かくなってきたら外して日の当たらない暗所で保管しておくことをおすすめします。
スノーワイパーと夏用ワイパーの違い
スノーワイパーと夏用ワイパーにはどういった違いがあるのかをあまり知らないという方も多いでしょう。スノーワイパーと夏用ワイパーの主な違いは、以下の2つです。
- カタチや形状が違う
- ゴムの材質が違う(硬度が違う)
それぞれについて、詳しく解説します。
カタチ・形状が違う
1つ目の違いは、カタチや形状にあります。
スノーワイパーの多くは、ワイパーを支持する金具の数が少なかったり、そもそも装着されていなかったりするケースもあります。
金具は、雪や冬の寒さの影響を受けて凍結しやすい部品であるためです。
また、スノーワイパーは夏用ワイパーとは異なり、金具部分がゴムで覆い隠されています。
これは、雪や寒さによって金具が凍結するのを防止するために施されている工夫です。
金具が凍結すると、フロントガラスに対して平等な力がかかりにくくなり、拭き残しやスジが現れやすくなります。
凍結によってワイパーの拭き取り性能が弱くなってしまうのを防ぐために、ゴムで覆われているのです。
ゴムの材質が違う(硬度が違う)
2つ目の違いは、ゴムの材質にあります。
スノーワイパーのゴムは、雪のような自然環境に悪影響を受けにくい材質で作られています。寒い冬でもフロントガラスをしっかりと拭けるため、拭きムラや拭き残しを起こしにくいという強みがあります。
スノーワイパーによってフロントガラスにダメージを与える心配も、ほとんどありません。
さらにスノーワイパーは、夏用ワイパーよりもゴムが厚めに作られています。理由は、厚めに作ることでゴムが硬くなりにくくなるためです。
冬の寒い温度にさらされて温度が下がったり凍結したりすると、ゴムが硬くなることがあります。硬くなると、ガラスを均一に拭けなくなったり、ゴムがちぎれたりするリスクがあります。
こうしたトラブルを防ぐために、あらかじめ厚めに作られているケースが多くあります。
さらにスノーワイパーのゴムは、夏用と比べて素材が柔らかめとなっています。
スノーワイパーが必要な3つの理由
スノーワイパーが必要となる主な理由は、以下の3つです。
・ワイパーの凍結を防ぐため
・走行中の視界を良好にし、安全に運転するため
・ワイパーの寿命を長くするため
それぞれの詳細については、以下で解説します。
ワイパーの凍結を防ぐため
夏用のワイパーは、激しい雪を受けるとブレードが凍結してしまうという弱みを持っています。
冬の激しい降雪の中でドライブを行うと、窓に雪が積もり、凍ってしまいます。
夏用ワイパーの場合、雪が凍るとゴムがフロントガラスに密着しにくくなります。するとガラス全体をしっかりと拭くのが難しくなるため、拭き取りの性能が大きく悪化してしまいます。
対してスノーワイパーの場合、ブレードがゴムカバーに覆われているため、カバーの中に水分が染み込むのを防いでくれます。
雪や寒い温度の中にさらされても中が凍結してしまうことがほとんどないため、しっかりとガラスに密着して雪や汚れを取り除いてくれます。
走行中の視界を良好にし、安全に運転するため
夏用ワイパーを冬に使い続けると、フロントガラスを拭き取る性能が低下しやすくなります。
ワイパーの性能が落ちた状態で走り続けると、フロントガラスに拭きムラが残りやすくなるため、走行中の視界が悪くなってしまいます。
視界が鮮明でない状態で走行すると、大きな事故を招きやすくなります。
視界をクリアにして安全に走行するためにも、スノーワイパーを使用することをおすすめします。
ワイパーの寿命を長くするため
一年中、夏用のワイパーを使用していると、ワイパーの寿命が短くなってしまうことがあります。
ワイパーブレードには、金属製の金具が多く使われています。金具は、積もった雪や凍結、凍結防止剤の使用などのさまざまな要因によってだんだんと錆びてきます。
さらに、冬の寒い温度に晒(さら)されていると、だんだん硬くなり、十分な性能が発揮されにくくなっていきます。
上記のような理由から、冬に夏用のワイパーを使用し続けることはワイパーの寿命を縮めることにつながります。
「夏は夏用のワイパーを使い、冬はスノーワイパーを使う」という使い分けを行うことで、ワイパーの寿命が長引くことが期待できます。
スノーワイパーを選ぶポイント
スノーワイパーの必要性がわかったところで、購入する際の下記の2つのポイントをお伝えします。
・ワイパーのサイズを適合表でチェックする
・3種のタイプから最適なモノを選ぶ
選ぶポイントについて知らずに購入してしまうと、買ったワイパーが使用できず無駄になってしまったり、自分にとって使いにくいワイパーを選んでしまったりすることにも繋がりかねません。
ワイパーを購入する際には、必ずチェックするようにしましょう。
それぞれの詳細については、以下で紹介します。
ワイパーのサイズを適合表でチェックする
スノーワイパーを購入する際は、必ず適合表をチェックするのが1つ目のポイントです。
適合表をチェックしないと、自身の車に対応していないサイズのものを購入してしまう可能性があります。
スノーワイパーのサイズと車がマッチしなければ使用できないため、ご注意ください。
適合表には車種や型式、年式が記載されています。
多くの場合、適合表はワイパーのパッケージの裏面に記載されていますが、大手ワイパーメーカーのPIAAのサイトでも調べることができます。
車種や年式などを選択すると、自分の車のワイパーのサイズがひと目でわかります。
3種のタイプから最適なモノを選ぶ
2つのポイントは自分に合ったスノーワイパーの種類を選ぶことです。
スノーワイパーには、ノーマルタイプ・グラファイトタイプ・撥水加工タイプという3つの種類が存在します。
それぞれの説明はメリットとデメリットは、以下の通りです。
種類 | 説明 |
ノーマルタイプ | 最もシンプルなタイプ。加工がされていないため、比較的価格が安いという点がメリット。説明の中に「グラファイト」や「撥水」といった言葉が入っていなければ、ノーマルタイプである可能性が高い。グラフィットタイプや撥水加工タイプに比べて数が少ない。 |
グラファイトタイプ | ワイヤーのゴムの中にグラファイトと呼ばれる炭素の粒子をコーティングしているタイプ。摩擦抵抗が小さい炭素粒子をコーティングすることで、ガラスとの摩擦を軽減してくれる。ビビリ音(ワイパーが動いている時に鳴る引っかかったような音)が鳴りにくくなったり、拭きムラが少なくなったりする効果が得られます。コーティングを行っていないガラスに対しても使用可能。 |
撥水加工タイプ | 半自動的にガラス面に撥水加工を行ってくれるタイプ。特殊なゴムを採用しています。ゴムの性質によって、ワイパーを動かすだけで撥水の膜が形成され、雪などを付着しにくい。ゴムに独自の加工を行っていることから、他のタイプに比べるとやや価格は高めに設定されている。コーティングを行わなくても撥水効果が現れるため、撥水剤分の費用は節約できるというメリットも得られる。 |
タイプごとの向いている人の特徴は、以下の通りです。
ノーマルタイプ
・あまりたくさんの雪が降らない地域に住んでいる
・購入費用を安く抑えたい
グラファイトタイプ
・表面の撥水加工を長持ちさせたい
・ビビリ音を減らしたい
・拭きムラを減らしたい
・ガラスの表面に撥水剤などのコーティングを行っている
撥水加工タイプ
・ガラス面の撥水効果を高めたい
・現在はガラスに撥水加工を行っていない
どのタイプも一長一短となっているため、上記を参考にしつつ自分に合ったものを選択するようにしましょう。
おすすめのスノーワイパー6選
選び方はわかったけど、スノーワイパーには数多くの種類があるため、どれを選んでいいか迷ってしまう方も多いでしょう。
そこで以下からは、特におすすめのスノーワイパーを5つ紹介します。
これから購入するという方は、ぜひ参考にしてみてください。
【WEIMALL】スノーブラシ 伸縮タイプ
WEIMALLのスノーブラシは、伸縮できるスノーブラシで、伸縮することで69~115㎝まで調整することができます。
除雪などに便利な水切り付きなので、屋根の雪をおろすのにも便利です。握りやすいスポンジグリップになっているのもメリットです。
サイズ | 270×135×690~1150mm |
材質 | 360g |
重量 | アルミニウム、PVC、ABS樹脂 他 |
【PIAA】スーパーグラファイトスノー
PIAAのスーパーグラファイトスノーは、150万回もの稼働テストを実施している、信頼性の高いワイパーです。
高純度のステンレス製フレームを使用しているため、錆びにくく丈夫である点も特徴です。
なお「替えゴムが入手しにくい」というネガティブな意見も聞かれたため、交換の際には注意が必要です。
当商品の詳細は、以下の通りです。
タイプ | グラファイトタイプ,雪用 |
素材 | グラファイトコーティングゴム、ステンレス |
取付方法 | U字フック式 |
車種 | 272g |
【デンソーワイパシステムズ】NWBグラファイトデザイン雪用ワイパーD55W
デンソーワイパシステムズのNWBグラファイトデザイン雪用ワイパーD55Wは、ワイパーの浮き上がりを抑える特殊なカバーが採用されているため、冬でもフロントガラスをしっかりと均一に拭き取ってくれます。
製造の際は50万回の払拭テストを行っているため、長持ちしやすく信頼性の高い商品だと言えるでしょう。
当商品の詳細は、以下の通りです。
タイプ | グラファイトタイプ,雪用 |
素材 | ー |
取付方法 | U字フック式 |
車種 | 400g |
【OMT】冬用グラファイトワイパーSW-40
OMTの冬用グラファイトワイパーSW-40は、キャップ部が完全に密閉されているため、隙間から水滴が侵入してしまう危険がなく、凍結のリスクをしっかりと防いでくれます。
風の流れを円滑にするフォルムとなっているため、洗練された見た目でムラなく雪や汚れを取り除いてくれます。
当商品の詳細は、以下の通りです。
タイプ | グラファイトタイプ,雪用 |
素材 | フレーム:亜鉛メッキ鋼板・リフィール/フレーム防護ゴム材質:マレーシア産天然ゴム |
取付方法 | U字フック式 |
車種 | ー |
【フェスコ】雪用グラファイトワイパーブレードSW-6535-H
フェスコの雪用グラファイトワイパーブレードSW-6535-Hは、氷点下40度という厳しい寒さの中でも動けるワイパーです。
雪による凍結を防止する加工がされており、寒い冬でもフロントガラスの雪を円滑に取り除いてくれます。
なお口コミの中には、「若干の拭きムラを感じる」という声も聞かれました。
当商品の詳細は、以下の通りです。
タイプ | グラファイトタイプ,雪用 |
素材 | マレーシア産天然ゴム、亜鉛メッキ鋼板 |
取付方法 | U字フック式 |
車種 | 470g |
【パーマン】スノー・ブレードトップロックUフック用1本
0度以下の寒い環境でも凍結しにくい製品です。
耐寒性に優れているため、寒い地域に住んでいる方も安心して使用できます。
また、複数のアーム形状に対応しています。
タイプ | ノーマルタイプ・雪用 |
素材 | フレーム/スチール、ワイパーゴム/EPDM |
取付方法 | U字フック式 |
車種 | 190g |
まとめ
最後に内容をおさらいします。
スノーワイパーとは、冬の寒い気温の中でも性能が劣化しにくいワイパーのことです。
スノーワイパーを装着して走行することで、より安全かつ快適にドライブを行いやすくなります。
スノーワイパーを選ぶ際は、ワイパーのサイズやタイプについてもしっかりとチェックを行った上で購入することをおすすめします。
どのワイパーを選ぶか迷ってしまうという方は、今回紹介したおすすめの商品の中から選んでみてください。