車のスマホスタンドが違法になるケースとは?法律上問題ない設置位置も徹底解説

    「車のスマホスタンドって違法になるの?」
    「どこにスマホスタンドを設置するのがおすすめ?」
    「違反しないために気を付けるポイントは?」

    このような疑問をお持ちではないでしょうか?

    スマートフォンを見やすい高さや角度に調整できるスマホスタンドは、特にナビ代わりにスマートフォンを使える点が非常に便利です。

    しかし、スマホスタンドの設置場所や使用方法によっては、違法となり、罰則や減点を受ける可能性があります。それでも、快適な運転を実現するために、ナビとしてスマートフォンを活用したいと考えている方も多いでしょう。

    本記事では、車のスマホスタンドが違法になるケースについて解説し、違反しないためのポイントやおすすめの設置場所を詳しくご紹介します。この記事を読むことで、安全で違法にならない使用方法が理解でき、快適で満足度の高いカーライフを送れるようになるでしょう。

    目次

     車のスマホスタンドが違法になるケース2選

    早速、車のスマホスタンドが違法になるケースを2選ご紹介します。下記箇所に取り付けることがないように気を付けましょう。

    フロントガラス・サイドガラスへの設置
    サンバイザー・バックミラーへの設置

    フロントガラス・サイドガラスへの設置

    車の前席のガラスにスマホスタンドの取り付けは不可であると表している写真です。
    フロントガラスやサイドガラスといった車内前方の窓ガラスは、スマホスタンドを装着すると違法になる可能性があります。


    前方の窓ガラスは「道路運送車両の保安基準」によって、取り付け可否と適切な装着位置が定められています。下記以外は装着してはいけない点に注意しましょう。

    【フロントガラスとサイドガラスに装着可能のもの】
    ・車検証のシール
    ・ルームミラー
    ・ETCアンテナ
    ・ドライブレコーダー
    ・可視光線透過率が70%以上のカーフィルム
    ※保安基準にはレインセンサーといった各種センサー類を除いた、主に実用的なものをピックアップしております。

    【装着可能な位置】
    ・ガラスの上縁部分で20%以内の範囲
    ・ガラスの下縁部分で150mm以内の範囲
    出典:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示39条

    上記の通り、保安基準に掲げる装着可能なものにスマホスタンドは記されておりません。無理に設置をしたとしても装着位置が限られ、視野も狭まる恐れがあるため、フロントガラスとサイドガラスへの装着は避けましょう。

    サンバイザー・バックミラーへの設置

    サンバイザーやバックミラーにスマホスタンドを取り付けるのも、違法になる場合があります。これらは、走行中の視界に死角が生まれ、運転に悪影響を及ぼすためです。

    「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」によって、天井付近に何かを設置する際の法規則が下記のように定められています。

    運転者席における運転者のアイポイントを通る水平面のうち当該アイポイントを通る鉛直面より前方の部分には、光学的な投影を含む運転視野を妨げるもの(Aピラー、室外アンテナ、ドアバイザ、側面ガラス分割バー、後写鏡、後方等確認装置、窓拭き器、固定型及び可動型のベント、窓ガラス面への光学的な運転支援情報の投影並びに保安基準第29条第4項各号に掲げるものを除く。)がないこと。
    出典道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第183条

    この写真は、サンバイザーやボンネットにスマホスタンドを付けることができないことを表しています。運転席から見える視野を写したものですが、ここに赤枠を設け、赤枠内にものがあってはいけないと記載しています。、
    文章では少し分かりにくいかもしれませんが、上記の図の赤枠内に物を置いてはいけないという意味になります。スマホスタンドをサンバイザーやバックミラーに装着すると、視界に死角が生じやすくなり、最悪の場合事故の原因となる可能性があるため、設置は極力避けましょう。

    車のスマホスタンドで違反するとどうなる?

    違法にスマホスタンドを設置した場合、実際にどのような罰則や減点があるのか気になりますよね。ここでは、スマホスタンドの設置場所に関わる保安基準と、それに抵触した際の罰則内容についてご説明します。

    ・スマホスタンドの設置場所に関する保安基準
    ・スマホスタンドに関する罰則内容と減点

    スマホスタンドの設置場所に関する保安基準

    スマホスタンドの設置について、運転席から十分な視界が確保できるかが重要になります。
    実際に、国土交通省が定める保安基準には、下記のように記載されています。

    自動車の運転者席は、運転に必要な視野を有し、かつ、乗車人員、積載物品等により運転操作を妨げられないものとして、運転者の視野、物品積載装置等との隔壁の構造等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
    引用:道路運送車両の保安基準 第二十一条 

    上記記載のように、視界を妨げる恐れがある場合は違法になる可能性が高くなります。また、「運転に必要な視野」について下記のように定められています。

    (1)要件
    自動車の前方2mにある高さ1m、直径 0.3mの円柱(6歳児を模したもの)を鏡等を用いず直接視認できること。
    (2)適用除外
    Aピラー(窓枠のうち車両最前のあるもの)、ワイパー及びステアリングホイールにより死角となる部分。
    出典:乗用車等の運転者の視界基準の概要


    上記のように、運転に必要な視野に関しては「前方2mにある高さ1m、直径0.3mの円柱」を直接視認できるかを目安にし、十分に確認したうえで取り付けるようにしましょう。検査員のさじ加減に依存する部分もありますが、車検に通らない可能性があるため必ず基準を守ることが大切です。

    スマホスタンドに関する罰則内容と減点

    スマホスタンドを不適切な箇所に取り付けていた場合、下記の罰則を受ける恐れがあります。

    スマホスタンドに関する罰則
    違反名 安全運転義務違反
    内容 不適切な位置に装着する
    違反点数 2点
    反則金(普通車・軽自動車) 9,000円
    反則金未納の場合 3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金

    罰則自体は軽いですが、万が一事故が発生した際に、スマホスタンドが違法な設置と判断された場合は責任が重くなる可能性があります。

    罰則を受けるリスクを負ってまで、違法な場所にスマホスタンドを設置する必要はないはずです。法律に基づいた正しい設置を必ず心がけましょう。以下では、法的に問題のないスマホスタンドの設置場所を紹介します。

    スマホスタンドの法律上問題ない3つの取り付け位置

    ここでは、安全にスマホスタンドを設置できる箇所をご紹介します。主に以下の3箇所に成ります。

    ・エアコンの吹き出し口
    ・ドリンクホルダー
    ・ダッシュボードの上

    エアコンの吹き出し口

    エアコンの吹き出し口は、スマホスタンドの設置場所として最もおすすめです。

    視界を妨げることなく、スマホが手の届きやすい位置にあるため、使い勝手が良いためです。また、コンパクトで見栄えが良く、しっかりと固定されるタイプが多いため、運転中に落ちる心配もありません。

    さらに、エアコンの風が直接スマホに当たるため、夏にスマホが過剰に熱くなるのを防ぐことができます。反対に、冬場暖房の風が当たる際は熱がこもるため注意が必要です。

    エアコンの吹き出し口への設置は、安全運転を重視する方におすすめです。

    ドリンクホルダー

    ドリンクホルダーもスマホスタンドの設置場所として非常に便利です。

    ドリンクホルダー用のスマホスタンドは簡単に着脱できるものが多く、設置の楽さがポイントです。また、エアコンの吹き出し口と同様に視界の妨げにならないため、安全に運転することができます。

    利用する際は、引き出し型のホルダーへの設置がおすすめです。長いアームが搭載されている商品もありますが、車の前席中央の据え置き型ホルダーに設置すると、やや視線を下に向ける必要があるため注意が必要です。

    目の疲れを防ぐためにも、できるだけ視線を移さず操作できるように、使用の際は引き出し型ホルダーに設置しましょう。

    ダッシュボードの上

    ダッシュボードの上にスマホスタンドを設置すると、スマホの位置が視線に近いため、視線移動が少なく済むため、疲れにくいうえに安全です。

    ダッシュボードの上に取り付ける際は、吸盤型のスマホスタンドが一般的ですが、取り外す際に粘着跡が残る可能性があります。その際は、電解水を使うと簡単に落とすことができます。

    また、ダッシュボードの上に取り付ける際は、くれぐれも前方に死角ができないか注意しましょう。視界の妨げになる場合は摘発の対象になるため、視界を確保できているか十分に確認して取り付けるようにしましょう。

    ダッシュボードの上にスマホスタンドを取り付ける際は、付属のアームをフロントガラスより下へ調節すると視覚的な問題は発生せず、安全に運転することができます。

    使用方法にも注意!ながらスマホで違反しないためのポイント

    スマホスタンドを適切に設置しても、実は使用方法に問題があれば、ながらスマホで違反となる可能性があります。ここでは、以下の内容をご説明します。

    ・ながらスマホは道路交通法違反
    ・ながらスマホの罰則内容と減点

    ながらスマホで違反しないためのポイントもご紹介するため、ぜひ参考にしてください。

    ながらスマホは道路交通法違反

    「道路交通法第七十一条第五号の五」によって、運転中のスマートフォンの使用に対して厳しい規制が設けられています。それは、スマホスタンドでナビを使用している場合も例外ではありません。下記はその法律の内容になります。

    自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る)を通話のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。
    出典:道路交通法第七十一条第五号の五 一部編集済み

    上記におけるキーワードは「注視」です。スマホをナビとして利用する場合、画面を注視すると罰則の対象となります。具体的な秒数に関して、道路交通法にも定義は記されておりません。しかし、警察庁によると2秒以上の注視は危険としています。

    各種の研究報告によれば、2秒以上見ると運転者が危険を感じるという点では一致しています。
    出典:警察庁

    上記により、ながらスマホで違反しないために、2秒以上スマホスタンドを注視しないことが大切です。自動車は時速60㎞の場合、2秒間で約33.3m進みます。重大な事故防止のためにスマホスタンドの使用には十分注意が必要です。

    ながらスマホの罰則内容と減点

    ながらスマホによる違反が発覚した場合、厳しい罰則が科されます。2019年12月1日に、ながらスマホ(ながら運転)を防止する対策として道路交通法が改正され、以下のように罰則の強化、違反点数と反則金が引き上げられました。

    携帯電話使用等(保持)の行政処分と刑事処分
    改正前 改正後
    行政処分 違反点数 1点 3点
    反則金(普通車) 6,000円 18,000円
    刑事処分 罰則 5万円以下の罰金 6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金
    携帯電話使用等(交通の危険)の行政処分と刑事処分
    改正前 改正後
    行政処分 違反点数 2点 6点(免許停止)
    反則金(普通車) 9,000円 非反則行為となり、全ての罰則を適用する。
    刑事処分 罰則 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金 1年以下の懲役または30万円以下の罰金

    出典:警察庁

    上記の通り、運転中にスマホの画面を注視する行為と、それに伴い交通事故を引き起こして交通の危険を生じさせた場合の両方で、処分が厳しくなっています。スマートフォンをナビとして使用する場合、ついつい画面を注視してしまう方も多いと思いますが、取り扱い方法にはくれぐれも注意しましょう。

    警察庁は、令和5年度の運転中のスマホの使用に関する取締り件数は約21万と発表しており、これは全体の約5%に及びます。加害者になるのを防ぐために、ナビ画面と音声案内の両方を駆使して運転するなど、できる限り画面を注視しない工夫をしましょう。

    タイプ別おすすめスマホスタンド3選

    車の設置するスマホスタンドは、様々な種類が発売されていますが、それぞれの特長や使い勝手が異なります。ここでは、タイプ別におすすめのスマホスタンドを3つ紹介します。

    高い万能性を求める方は「車載ワイヤレス充電器 | wx-uj2-4951」
    ・簡単な設置を求める方は「スマホ車載ホルダー | 200-CAR055」
    ・圧倒的な安さを求める方は「車載ホルダー | P-CARS12BK」

    高い万能性を求める方は「車載ワイヤレス充電器 | wx-uj2-4951」

      IMDEN CHARGEの「車載ワイヤレス充電器 | wx-uj2-4951」は、高い万能性を誇ります。

    「ダッシュボードの上」と「エアコンの吹き出し口」の両方に設置可能で、厚みのある手帳型の携帯ケースでも問題なく使うことができます。また、ワイヤレス充電が可能なため、ナビで減りがちな充電を気にすることなく15Wで急速充電ができます。

    さらに、スマホをしっかり固定するため落下や角度のズレを防ぐことができ、運転中に安心して利用できる点もポイントです。固定は自動で開閉されるため、楽に使用することもできます。位置調整アームを動かすことで、ダッシュボードの上からフロントガラスより下の位置にスマホを移動できるため、安全な運転が可能となります。

    なお、iPhoneのサイズによっては、サイドボタンを強く押してしまいSiriが発動してしまうこともあるため、ホールドの際に位置の調整が必要になります。

    概要
    ブランド IMDEN CHARGE
    価格 2,895円
    取り付け可能な位置 ダッシュボードの上
    エアコンの吹き出し口
    固定方式 センサー開閉式
    端末の最大対応サイズ 7インチ
    取り付け可能な端末の厚さ ~10mm
    取り付け可能な端末の幅 55~95mm

     簡単な設置を求める方は「スマホ車載ホルダー | 200-CAR055」

    SANWA SUPPLYの「スマホ車載ホルダー | 200-CAR055」は、設置を楽に済ませたい方におすすめです。

    主にドリンクホルダーに設置するスマホスタンドですが、はめ込むだけで簡単に設置できるのが嬉しいポイントです。直径を調整できるためホルダーにしっかり固定することができます。

    また、アームは21㎝と長いですが、固くて安定しているため、基本的に走行中も大きくぶれることがありません。アームは角度が柔軟性があり細かく調整できるため、見やすい角度や位置に最適化できるため、使い勝手が良いです。

    しかし、軽自動車や道路状況次第では細かな振動がダイレクトに伝わり、スマートフォンが揺れてしまう点に留意しましょう。

    概要
    ブランド SANWA SUPPLY
    価格 2,270円
    取り付け可能な位置 ドリンクホルダー
    固定方式 ワンタッチ取り外し方式
    端末の最大対応サイズ 不明
    取り付け可能な端末の厚さ 不明
    取り付け可能な端末の幅 50~105mm

    圧倒的な安さを求める方は「車載ホルダー | P-CARS12BK」

    ELECOMの「車載ホルダー | P-CARS12BK」はスマホスタンドを安く購入したい方におすすめです。価格は900円弱と、車載スマホスタンドの中では破格の値段を誇ります。スマホスタンドとしての性能も良く高コスパの商品となっています。

    主な取り付け位置はエアコンの吹き出し口となっており、運転中の視界を遮らず安全な走行が可能となります。エアコンのルーバーにスタンドのクリップを締め込み、ネジでしっかりと固定できるため、運転中にずれや落下の心配はありません。

    ワンタッチで取り外しが可能で、好みの角度に調整もできるなど最低限の機能が備わっているにも関わらず、安価で入手が可能なため価格重視の方に非常におすすめです。

    なお、外車に多い円環状の吹き出し口の場合は、取り付けができないため注意が必要です。

    概要
    ブランド ELECOM
    価格 827円
    取り付け可能な位置 エアコンの吹き出し口
    固定方式 ワンタッチ取り外し方式
    端末の最大対応サイズ 不明
    取り付け可能な端末の厚さ 約22mm以下
    取り付け可能な端末の幅 45~90mm

    まとめ

    本記事では、フロントガラスの設置が違法になるケースについてご紹介しました。下記への設置は保安基準に抵触する恐れがあるため、設置を避けましょう。

    ■フロントガラス・サイドガラスへの設置
    ■サンバイザー・バックミラーへの設置

    その理由としては、スマホスタンドの設置においては、運転席から十分な視界が確保できるかが最も重要になるためです。その点において、下記3つの設置場所は法律上問題がありません。

    ・エアコンの吹き出し口
    ・ドリンクホルダー
    ・ダッシュボードの上

    車にスマホスタンドを設置して使用する際は、基本的に2秒以上注視しないようにしましょう。スマホスタンドを使用する際も、操作を最小限に留め、安全運転を心がけることが大切です。

    車載設置のスマホスタンドは便利なアイテムですが、これまで説明したように使い方によって安全性が大きく異なります。この記事を参考に、安心安全で快適なドライブを楽しんでください。

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