「車検時のタイヤ交換は必要なのか知りたい」
「タイヤ交換のタイミングは?」
「タイヤの交換費用を抑えたい」
と思っていませんか?
愛車を車検に出したときに、点検と一緒にタイヤの交換を勧められた経験がある人は少なくないでしょう。
プロに提案されると、その場でタイヤを交換するのがベストだと思うかもしれません。
結論、車検時のタイヤ交換は必須ではありません。
車検時にタイヤ交換をすると、実は割高になる場合があります。
しかし、車検前にタイヤ交換をすることで、費用をグッと抑えることができます。
本記事では、前半部分でタイヤの交換費用を抑える方法と手順を紹介し、後半はタイヤを交換するタイミングについて解説します。
本記事を読むことで、お得にタイヤを交換する方法や交換の基準を理解でき、疑問を払拭することができるでしょう。
車検時のタイヤ交換は必須ではない
前述のように、車検の際に検査員にタイヤの交換を勧められたとしても、必ずしも必須ではありません。
もしタイヤ交換の必要性がある場合でも、急かされてその場で契約するとトラブルに繋がる可能性があります。
実際、国民生活センターでは「タイヤ交換詐欺」の注意喚起をしています。
もちろんスリップサインが出ているなど、著しくタイヤの状態が悪い場合は検査員の指示に従って交換するのが良いでしょう。
ただし、あまり走行距離がいっていない場合は、本当にタイヤを交換した方がいいのか、自分自身で交換の目安を把握する必要があります。
【4選】タイヤの交換目安
必須ではない車検時のタイヤ交換ですが、交換の目安はあるのでしょうか?
主に、タイヤの交換目安となるのが以下の4つ
②ひび割れや傷がないか
③走行距離が3万キロ以上
④タイヤの製造から4~5年経過
①〜②は車検の合格基準となっており、車検に通すうえで必ず守らないといけない要件となっています。
それぞれの基準について詳しく解説していきましょう。
①タイヤ溝が1.6mm以上あるか
国土交通省によって、タイヤの溝は1.6mm以上の深さが必要だと定められています。
1.6mmとはタイヤのスリップサインの高さを指します。
スリップサインとは、タイヤの摩耗が進んでいることを示したサインです。
スリップサインを超えた状態で走行すると、ブレーキやハンドル操作に支障をきたし非常に危険です。
また、溝が減っている状態では排水がうまくできなくなるため、雨の日は特に滑りやすくなります。
このスリップサインの位置は目視で確認することができます。
まず、タイヤの側面には三角マークがあります。
そのマークの延長線上、タイヤの接地面に刻まれた溝の底でゴムが隆起した部分がスリップサインです。
②ひび割れや傷がないか
ひび割れや劣化したタイヤでの走行は、最悪の場合タイヤがバーストする可能性もあり非常に危険です。
タイヤのひび割れに関しては、保安基準で明確な規格が定められておらず、基本的に検査員の判断になります。
しかし、日本自動車タイヤ協会によってクラック(ひび割れ)の判断基準は定められています。
下記画像を目安に判断すると良いでしょう。
(出典:一般社団法人日本自動車タイヤ協会)
レベル3〜4は継続使用が可能ですが、日常点検で経過観察をする必要があります。
レベル5は非常に危険な状態です。
いつバーストしてもおかしくないため、早急に交換しましょう。
タイヤは、全て均一に劣化するわけではありません。運転の仕方や空気圧によって、1本だけが著しく劣化する可能性もあります。
すべてのタイヤの状態をチェックするようにしましょう。
③走行距離が3万キロ程度
前回のタイヤ交換から、走行距離が3万キロを超えている場合は交換を検討しましょう。
一般的にタイヤのゴムは5,000km走行すると1mm摩耗します。
①ではタイヤの溝が1.6mm以上でないと車検に通らないとお伝えしました。
新品のタイヤは溝が8mmなので、32,000km走行すると溝が1.6mmになる計算です。
8mm-1.6mm=6.4mm(タイヤの寿命)
6.4mm×5,000km=32,000km(総走行距離)
しかし、これはあくまで目安ですので、実際の摩擦具合は運転の仕方によって異なります。
また、32,000kmはスリップの最低ラインになります。
30,000km時点で交換を検討したり、ブレーキの効きが悪いと感じ始めたら速やかに交換しましょう。
④タイヤの製造から4~5年経過
タイヤは製造から4〜5年が寿命とされています。
見た目の変化や走行距離に関係なく、タイヤの劣化は免れません。
製造から4〜5年経つと経年劣化が進み、タイヤのゴムの柔軟性が失われます。
その状態だと、グリップの効きが著しく悪くなり、雨天時の事故発生リスクが高くなります。
また、屋外駐車の場合は熱や紫外線を浴びやすくなるため、ゴムの劣化が進みやすくなります。
ゴムが劣化したまま走り続けると、タイヤがバーストする恐れがあり非常に危険です。
普段車に乗らなくてタイヤの溝がほとんど減っていない場合でも、製造から4〜5年経っていればタイヤの交換をしましょう。
タイヤの製造日はタイヤの側面を見ることで確認できます。
上記画像を例に解説しますと、CCEに続き四桁の「0421」が製造年週になります。
見方として、最初の2桁の「04」は週を表しており、4週目になります。
後ろ2桁の「21」が年数を表しており、ここでは2021年に該当します。
よって、このタイヤは2021年1月下旬頃に製造されたことがわかります。
【3ステップ】タイヤの交換費用を抑える裏技
ここでは、タイヤ交換をできるだけ安く済ませる裏ワザを紹介します。
それは、「ネットで購入したタイヤを、業者に持ち込んで交換してもらう」です。
タイヤサイズを調べて購入する手間はかかりますが、車検時のタイヤ交換よりも費用を安く抑える事ができます。
自分でタイヤを組むことで、工賃をより安く済ませることも可能です。
しかし、道具やスキルが必要になるので、あまりおすすめはしません。
ここでは、手順を下記の3つに分けて簡単に解説していきます。
2.通販サイトで検索して購入
3.業者にタイヤを持ち込み、交換してもらう
①タイヤのサイズを確かめよう
ネットでのタイヤ購入に際して、最初にサイズを確認する必要があります。
タイヤサイズを調べる方法は、主に以下の4つになります。
・装着しているタイヤをみる
・ウェブサイトで調べる
・お店で調べてもらう
最も簡単な方法は、装着しているタイヤを見て確認することです。
タイヤの側面にはタイヤのサイズが必ず記載されています。
上記画像だと、赤線部がタイヤサイズになります。
この場合、「155/65 R13」がサイズになります。
各数字の意味については、日本自動車タイヤ協会をご参照ください
注意点として、中古車の場合は純正のタイヤサイズでない場合があります。
その場合、取扱説明書やウェブサイトで調べるのが確実でしょう。
②通販サイトで検索して購入
自分のタイヤサイズを確認することができたら、ネットでタイヤを購入しましょう。
例えば、ネットでの購入先は楽天や価格ドットコムなどのECサイトや、タイヤ専門店の公式サイトなどがあります。
ネットでタイヤを購入する際には以下の3点に注意してください。
・送料の有無
・製造年月日
タイヤサイズの細かい表記や送料が無料かどうかをチェックしましょう。
また、製造年月日の古いタイヤが出回っていることがあります。
そういったタイヤは避け、できる限り製造年月日の新しいタイヤを選んで購入しましょう。
ネットでのタイヤ購入は、基本的にカー用品店やタイヤ専門店より安く購入できます。
しかし、欲しいタイヤが店頭価格と大差なければ、お店で購入した方がお得です。
詳細は後述しますが、持ち込みタイヤの場合は交換工賃が割高になるためです。
また、店舗次第では持ち込みのタイヤ交換に対応していない可能性があります。
タイヤ専門店や整備工場で交換してくれるか事前に確認しておきましょう。
ちなみに、持ち込みタイヤの交換は自動車整備工場の方が快く引き受けてくれることが多いです。
③業者にタイヤを持ち込み、交換してもらう
タイヤを購入したら、タイヤ専門店や整備工場に持ち込んで交換してもらいましょう。
また、持ち込みタイヤは店舗で購入した場合よりも、タイヤ取り付けの作業工賃が通常より割高になる傾向にあります。
そのため、事前に対応の可否を確認しつつ、工賃も問い合わせると良いでしょう。
具体的に、大手カー用品店に依頼すると以下の工賃になります。
インチ | 値段 |
16インチ以下 | 8,800円 |
17インチ以上 | 11,000円 |
※インチは①で解説した画像のタイヤサイズ(155/65 R13)だと、R以降の「13」に該当します。
また、店舗によってはバランス調整やエアバルブの交換、廃タイヤの処分料が別途かかる場合もあります。
車検以外でタイヤ交換すると約2万円安くなる
自分でタイヤを購入して持ち込む場合と、ディーラーでタイヤ交換を同時にした際の値段を比較してみましょう。
下記はあくまで概算なので、正確な見積もりを把握したい場合は店舗に問い合わせましょう。
車検時に依頼する場合 | 自分でネットで買う場合 | |
タイヤ代(4本) | 98,000円 | 75,240円 |
工賃(4本) | 10,000円 | 12,000円 |
合計(タイヤ代+工賃) | 108,000円 | 87,240円 |
※タイヤは「ダンロップLE MANS V 215/45R17 91W XL」で統一
合計金額を見比べると、20,760円もタイヤ交換の総額に差があります。
このように、タイヤの購入金額はネットで購入した方が安く購入することができます。
作業工賃こそ割高にはなってしまいますが、タイヤの価格差ほどではありません。
車検時のタイヤ交換が割高になる理由として挙げられるのは以下の3つです。
・仕入れ量が少ない
・基本的に定価販売
特に、中間マージンが大きな原因になります。
基本的に車検時にタイヤを交換すると、依頼した業者のマージンがかかります。
そのため、普段のタイヤ交換と比べて割高になる可能性が高いといえます。
手間重視なら車検時に交換を依頼しよう!
一概に安くなるといっても、タイヤを仕入れて業者に持ち込むのは手間がかかるのも事実。
もし、そこまで価格を重視していない場合は、車検時にタイヤの交換をしてもらいましょう。
車検の際にタイヤを同時に交換すると、整備点検に必要な手続きを1回でまとめることができます。
そのため、時間がない方や経済的に余裕のある方におすすめです。
一度車検業者に見積もりを取り、タイヤ交換にかかる費用を提示してもらいましょう。
納得できる範囲であれば、車検時にタイヤを交換してもらいましょう。
まとめ
本記事では、タイヤの交換目安と安くタイヤを交換する方法について解説しました。
タイヤの交換目安を理解することは、安全性と経済性の両方で得することに繋がります。
例えば、適切なタイミングでタイヤを交換できれば、事故を未然に防ぐことができます。
他には、タイヤの交換を勧められたときに、「本当に交換をするべきなのか」合理的な判断をすることができます。
また、タイヤの交換を安く済ませたい場合は、車検時以外で交換を済ませることがおすすめ。
タイヤの種類やサイズにもよりますが、2万円以上お得にタイヤを交換することができます。
しかし、値段にこだわらない方は、車検時にタイヤを交換してもらうと手間が省けてお得です。
タイヤとタイヤ交換の知識を正しく身に付け、これからもカーライフを賢く楽しみましょう。
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